2026/4/15
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経済

いすゞとトヨタ、国内初の小型燃料電池トラック量産へ 2027年度開始を発表

要約

いすゞの電気自動車「エルフEV」をベースにトヨタの燃料電池システムを搭載する共同開発で、小型FCVトラックの量産は国内初の事例となる。一方、いすゞは大型FCVトラックの投入時期延期も公表した。

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国内初、小型FCVトラックの量産へ

いすゞ自動車とトヨタ自動車は2026年4月15日、小型燃料電池車(FCV)トラックの共同開発と2027年度の量産開始を正式に発表した。小型FCVトラックの量産は国内で初めての事例となる。

開発にあたっては、いすゞが2023年に発売した小型電気自動車トラック「エルフEV」をベース車両とし、トヨタが燃料電池システムを提供する。両社が共同でシステムの適合開発を進める。

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いすゞは「水素を燃料とするFCVは、短時間での補給が求められる物流において有効な選択肢」と説明。さらに「プロジェクトの成果を活用し、耐久性向上に向けた制御技術の高度化およびシステム改良を進める」としている。

2021年からの連携が結実

両社の連携は2021年にさかのぼる。同年、いすゞとトヨタは相互出資を発表し、商用車技術開発の共同出資会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」を設立した。CJPTにはいすゞ、トヨタのほか日野自動車も参画しており、商用車における電動化や物流効率化に取り組んできた。2025年9月末時点でトヨタのいすゞへの出資比率は5.58%となっている。

  1. いすゞとトヨタが相互出資・CJPT設立

    商用車の電動化と物流効率化を目指し、日野自動車とともに共同出資会社を設立した。

  2. トヨタのいすゞ出資比率5.58%

    資本関係を維持しながら、技術連携の基盤を継続している。

  3. 小型FCVトラック共同開発を正式発表

    国内初となる小型FCVトラックの量産計画を公表した。

  4. 小型FCVトラック量産開始予定

    エルフEVベースにトヨタの燃料電池システムを搭載した車両の生産を開始する。

大型FCVトラックは投入延期

一方、いすゞは大型FCVトラックについても動きがあった。本田技研工業(ホンダ)の燃料電池システムを採用して2027年ごろの投入を予定していた大型FCVトラックについて、市場投入時期を延期すると公表した。延期後の具体的な投入時期は明らかにされていない。

具体的な量産台数や車両の販売価格についても、今回の発表では言及されなかった。小型トラックは市民生活を支える物流網で重要な役割を担っており、冷蔵・冷凍機能の維持や1日複数回の配送など、長時間稼働と短時間でのエネルギー補給が求められる。FCVはこうした用途に対する有力な選択肢として位置づけられている。

商用車分野では環境規制の強化を背景に電動化やFCV化が進んでおり、今回の共同開発は物流業界のカーボンニュートラル化に向けた具体的な一歩となる。