豪州、国防費を10年で530億豪ドル増額 無人機強化で防衛力の自立めざす
要約
オーストラリアのマールズ副首相兼国防相が「国家防衛戦略」と「統合投資計画」を公表し、今後10年間で国防費を530億豪ドル(約6兆円)増やす方針を明らかにした。ウクライナ戦争や中東危機を背景に、無人機の増強を柱に据える。
530億豪ドル増額、「国家防衛戦略」を公表
オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は4月16日、今後10年間で年間の国防費を530億豪ドル(約6兆円)増やす方針を発表した。同時に「国家防衛戦略」と「統合投資計画」を公表し、中長期的な防衛投資の方向性を示した。
マールズ氏は、ウクライナ戦争や中東危機などにより国際秩序が揺らいでいる現状を指摘。こうした安全保障環境の変化に対応するため、無人機の増強を通じて防衛力の自立をめざす考えを示した。
2024年に続く戦略文書の改定
オーストラリア政府が「国家防衛戦略」などの文書を初めて公表したのは2024年のことである。今回の2026年版は、その改定版にあたる。戦略文書では中長期的な投資分野が整理され、無人機をはじめとする先端技術への注力が打ち出された。
「統合投資計画」は「国家防衛戦略」と一体の文書として位置づけられ、今後10年間の装備調達や能力開発に向けた具体的な投資の枠組みを提示するものである。
国際秩序の揺らぎが背景に
今回の大幅な国防費増額の背景には、オーストラリアを取り巻く安全保障環境の急速な変化がある。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の不安定化といった国際的な危機が、同国の防衛政策の見直しを加速させた形だ。
マールズ氏は、こうした情勢を踏まえ、従来の防衛態勢では不十分であるとの認識を示し、無人機の増強を柱とする防衛力の自立を訴えた。ただし、導入する無人機の具体的な種類や機数、配備スケジュールなどの詳細は明らかにされていない。
増額後の国防予算の総額についても現時点では不明だが、530億豪ドルという増額幅は、オーストラリアの防衛政策史上でも極めて大規模なものとなる。