中国、米にパンダ2頭を新たに貸与へ 来月のトランプ大統領訪中を前に
要約
中国が米アトランタ動物園にジャイアントパンダ2頭を貸与することが決定した。2026年5月に予定されるトランプ大統領の訪中を前に、パンダ外交を通じて関係改善を図る狙いがあるとみられる。
パンダ2頭の貸与が決定
中国政府は、米ジョージア州のアトランタ動物園に対し、新たに2頭のジャイアントパンダを貸与することを決定した。貸与されるのは雄の平平(ピンピン)と雌の福双(フーシュアン)の2頭で、期間は10年間の予定だ。来月(2026年5月)にはトランプ大統領による中国訪問が予定されており、今回のパンダ貸与は訪中を前にしたパンダ外交の一環とみられる。
中国は長年にわたり、ジャイアントパンダを外交手段として活用してきた歴史を持つ。友好の証として他国にパンダを贈与・貸与するパンダ外交は、特に米中関係において象徴的な意味合いを帯びてきた。1972年のニクソン大統領訪中を機にワシントンD.C.の国立動物園にパンダのつがいが贈られたことは、米中関係改善の象徴として広く知られている。アトランタ動物園には1999年にも2頭が貸与され、これまでに7頭の子どもが誕生した実績がある。
トランプ大統領、来月訪中へ
トランプ大統領は2026年5月に中国を訪問する予定だ。今回のパンダ貸与の決定は、この訪中に合わせたタイミングとなっており、対立が続く貿易や安全保障問題の中で、関係改善を図る中国側の意向がうかがえる。
近年の米中関係では緊張が続いてきたが、パンダの貸与は両国間の友好を象徴する動きとして注目される。2023年10月には習近平国家主席が米国へのパンダ貸与に前向きな姿勢を示し、パンダを中国と米国の人々の友好の使者と表現した経緯がある。今回の合意により、米中間でのソフトパワーを通じた交流が再び活性化すると期待される。
パンダ外交の行方
パンダの贈与は1984年以降、ワシントン条約による制限を受けて原則として貸与方式に切り替わっている。貸与料は年間100万ドル(約1億円強)に上り、パンダの保護活動に充てられる。近年の米国内では貸与契約の終了に伴いパンダの数が一時的に減少していたが、今回の決定は新たな協力関係の構築を予感させるものだ。トランプ大統領の訪中と合わせ、今後の米中関係がどのような展開を見せるか、世界的な注目が集まっている。