健康保険法改正案が衆議院通過、OTC類似薬の患者負担引き上げへ
要約
市販薬と類似した処方薬(OTC類似薬)の患者負担を引き上げる健康保険法改正案が、与野党の賛成多数で衆議院を通過しました。2027年3月の施行を目指し、医療費抑制と保険財政の健全化を図ります。
OTC類似薬の負担増を柱とする改正案が衆院可決
健康保険法改正案が衆議院で採決され、与野党の賛成多数により可決・通過した。改正案には、市販薬(OTC医薬品)と類似した成分・効能を持つ処方薬、いわゆる「OTC類似薬」について、患者の自己負担を引き上げる措置が盛り込まれている。新制度では、対象となる薬剤費の25%を通常の自己負担に上乗せする形で追加負担を求める方針だ。
OTC類似薬とは、医師の処方箋が必要な医療用医薬品のうち、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬と実質的に同じ成分・効能を持つ薬を指す。これまでは公的医療保険が適用され、患者の自己負担は原則1割から3割にとどまっていた。改正案では、公平性の観点からこの負担を引き上げ、2027年3月からの施行を予定している。
医療費抑制と保険財政の健全化が狙い
今回の改正は、増加し続ける国民医療費への対応策として位置づけられている。背景には、国民医療費が2021年度に45兆円を超えるなど、社会保障費の膨張が続いている現状がある。市販薬で代替可能な薬についても保険適用で安価に入手できる現行制度に対し、医療費適正化の観点から課題が指摘されてきた。
改正により、患者にセルフメディケーションを促し、医療機関への受診を抑制することで、医療費の削減や現役世代の保険料負担の軽減につなげる狙いがある。国民皆保険制度の持続可能性を確保するための改革の一環として、今回の法改正は進められてきた。
今後は参議院での審議へ
改正案は今後、参議院に送付され審議が行われる。対象となるOTC類似薬は約1100品目、77成分に及ぶ見通しだが、難病患者や子ども、低所得者など配慮が必要な層については、負担増の対象から外れる見通しだ。
患者の自己負担増による家計への影響や、受診控えによる健康被害への懸念も指摘されており、参議院での議論の行方が注目される。