2026/4/30
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政治

高市首相、ナフサ由来化学製品の供給「年を越えて継続できる見通し」と表明

要約

中東情勢の緊迫化を背景にナフサの供給不安が広がる中、高市首相が化学製品の供給継続について見通しを示した。日本はナフサ輸入の約7割を中東に依存しており、国内産業への広範な影響が懸念されている。

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ナフサ由来化学製品、年越しの供給継続に見通し\n\n高市早苗首相は4月30日、ナフサ由来の化学製品の供給について「年を越えて継続できる見込みとなった」と言及した。中東情勢の緊迫化に伴うナフサの供給不安が広がる中、産業界や国民に対して一定の安心材料を示した形である。\n\n
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※画像はイメージです
\n\n日本はエチレンなど基礎化学品の原料として、ナフサに約95%を依存している。さらにその輸入の約7割を中東が占めるため、中東情勢の変動がナフサの調達に直結する構造的な脆弱性を抱えている。ナフサはプラスチック、合成繊維、接着剤、洗剤など幅広い製品の原料であり、供給途絶は自動車部品や電子機器、医薬品、日用品に至るまで多岐にわたる産業に影響を及ぼす。\n\n## 約4万7000社が連なるサプライチェーン\n\nナフサ関連製品のサプライチェーンには約4万7000社が関わっており、製造業全体の約3割に相当する。このうち約9割が中小企業であり、価格交渉力の弱さからコスト上昇の影響を受けやすい立場にある。\n\n大手化学メーカーの間ではすでに製品値上げの動きが広がっている。三菱ケミカルや三井化学などが酢酸ビニルモノマーやポリエチレン、ポリプロピレンなどの価格改定を発表しており、今後もこの傾向は続くとみられている。\n\n## 政府の対応と残る課題\n\n政府はこれまで、国家備蓄の放出や中東以外からの調達拡大といった緊急対策を進めてきた。高市首相は国内需要の4カ月分に相当するナフサを確保していると説明しているが、現場の企業からは政府発表との乖離を指摘する声も出ている。\n\nまた、政府は医療品など重要物資の供給網を維持するため、アジア諸国への金融支援も行う方針である。アジアのサプライチェーンが混乱すれば日本経済にも影響が及ぶとの認識に基づく対応だ。\n\nただし、代替調達先の本格的な確保やサプライチェーンの多角化には時間を要する。中東情勢の不確実性が続く限り、価格上昇や供給制限が広がるリスクは残っており、エネルギー源の多様化や産業構造の強靭化といった中長期的な課題への取り組みが引き続き求められる。