2026/5/7
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国際

中国の国防相経験者2名に執行猶予付き死刑判決 軍事裁判所が異例の処罰

要約

李尚福前国防相と魏鳳和元国防相に対し、中国の軍事裁判所が7日に執行猶予付きの死刑判決を言い渡しました。習近平政権下の軍内反腐敗運動の一環として、国防相経験者2名が同時に刑事判決を受ける極めて異例の事態となっています。

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国防相経験者2名に執行猶予付き死刑

中国の軍事裁判所は7日、国防相経験者2名に対して執行猶予付きの死刑判決を言い渡した。新華社通信が報じた。判決を受けたのは李尚福前国防相で、収賄と贈賄の罪に問われた。もう1名の魏鳳和元国防相は収賄罪で同様の判決を受けた。

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※画像はイメージです

両名はいずれも中国共産党の規律違反などを理由に、すでに党籍剥奪の処分を受けていた。国防相経験者2名が同時に刑事判決を受けるのは極めて異例である。

李尚福氏の経歴と失脚

李尚福氏は2023年3月に国防部長(国防相)に就任したが、同年8月以降は公の場から姿を消していた。10月には国務委員を解任され、2024年6月に中国共産党から除名、軍からも除隊処分を受けた。同氏は航空宇宙分野での経歴が長く、人工衛星やロケット打ち上げセンターでのキャリアを重ねてきた。2018年にはロシアからの兵器調達を巡り、米国から制裁対象に指定されていた。

魏鳳和氏は李氏の前任の国防部長であり、今回収賄罪で執行猶予付きの死刑判決を受けた。

習近平政権の反腐敗運動との関連

習近平政権は発足以来、強力な反腐敗運動を推進しており、軍内部もその対象としてきた。今回の判決は、国防トップ経験者にまで粛清が及んだことを示すものである。両名とも装備開発部門の責任者であった時期に汚職に関与していたとされる。

中国の「執行猶予付き死刑」は、一定期間内に問題がなければ無期懲役に減刑される制度である。政治的な影響力や事案の性質など、さまざまな要因が量刑に考慮されるとみられる。

中国国防相をめぐる動静

  1. 李尚福氏が国防部長に就任

    航空宇宙分野でキャリアを積んだ李氏が国防相に起用された。習主席の信頼が厚い人物と目されていた。

  2. 李尚福氏の動静が途絶える

    公の場から姿を消し、解任観測が広がった。装備調達をめぐる汚職に関与した疑いが持たれていた。

  3. 李氏が国務委員を解任

    国防部長就任からわずか約7カ月での異例の解任となった。同時に国務委員の職も解任された。

  4. 党籍剥奪・軍除隊処分

    中国共産党から除名され、軍からも除隊処分を受けた。中央軍事委員会が深刻な規律違反を認定したとされる。

  5. 軍事裁判所が2名に判決

    軍事裁判所が李氏と魏氏の両名に判決を言い渡した。2名の元国防相が同時に死刑判決を受ける極めて異例の事態となった。