2026/5/11
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国際

フィリピン下院、サラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾訴追を可決 上院裁判へ

要約

フィリピン下院は11日、機密費の不正使用疑惑などを理由にサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾訴追を賛成多数で可決しました。2025年の訴追は最高裁により中断されましたが、今回は上院での弾劾裁判に移行し罷免の可否が審理されます。

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フィリピン下院は11日、サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追を本会議で採決し、可決した。賛成票は255票に上り、訴追に必要な下院議員の3分の1を大きく上回った。弾劾訴追の主な理由は、副大統領府および教育省における機密費の不正使用の疑いなどとされる。

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※画像はイメージです

憲法の規定に基づき、今後は上院が弾劾裁判を実施し、サラ氏の罷免の可否を判断する。上院での裁判の具体的な開始日程は現時点では明らかになっていない。

2025年の訴追は最高裁が違憲判断

サラ氏に対する弾劾訴追は今回が初めてではない。2025年にも同様の訴追が行われたが、フィリピン最高裁判所が手続きを違憲と判断し、中断に追い込まれていた。今回は改めて下院が訴追手続きを進め、可決に至った形である。

ドゥテルテ家とマルコス政権の対立が背景に

サラ・ドゥテルテ副大統領は、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の娘にあたる。2022年の選挙ではフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領候補と協力関係にあるユニチームを組んで当選したが、その後、両家の政治的な対立が深まっている。

機密費の不正使用疑惑をめぐっては、副大統領府と教育省で計6億2500万ペソ(約16億3000万円)が不正に支出された疑いが指摘されている。このほか、マルコス大統領夫妻と下院議長に対する暗殺発言、巨額の個人資産の未公開、超法規的殺害への関与なども弾劾の理由として挙げられている。上院での弾劾裁判の結果次第では、サラ氏が副大統領の職を解かれる可能性もあり、フィリピン政界の行方に大きな影響を及ぼすとみられる。