2026/5/12
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国内

美浜原発3号機の蒸気漏れ、密閉用キャップに損傷と減肉 最薄部は約1ミリ

要約

関西電力は、美浜原発3号機で発生した蒸気漏れの原因調査により、タービンカバーの密閉用キャップに損傷と大幅な減肉を確認したと発表しました。元の厚さ20ミリに対し最薄部は約1ミリまで減少しており、同社は原因特定と対策を急いでいます。

原子力発電原発再稼働福井県美浜原発関西電力

損傷箇所の減肉、元の厚さの20分の1に

関西電力は5月12日、福井県美浜町にある美浜原子力発電所3号機で8日午前に確認された蒸気漏れについて、タービンを覆うカバーを密閉するためのキャップに損傷が確認されたと公表した。損傷のサイズは縦約1センチメートル、横約8センチメートルで、損傷箇所周辺では減肉が確認された。キャップの元の厚さは約20ミリメートルだったが、最も薄い部分は約1ミリメートルまで減っていた。

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※画像はイメージです

関西電力によると、蒸気漏れが確認された5月8日午前に原子炉を手動停止している。モニタリングポストの数値に異常は確認されていないという。関西電力は、損傷に至った原因を特定し、対策を検討するとしている。

2021年の検査では腐食確認されず

2021年12月に実施された検査では、当該箇所に腐食が確認されなかったため、肉厚測定は実施されていなかった。腐食がない状態から約4年半の間に、厚さ約20ミリメートルのキャップが約1ミリメートルまで減肉した可能性があるが、損傷に至った具体的な原因や今後の対策については現時点で明らかにされていない。

運転開始から50年、老朽化への懸念

美浜原発3号機は1976年に営業運転を開始し、2026年時点で稼働年数は50年に達している。福島第一原子力発電所事故後に策定された新規制基準に適合し、2021年に40年超の運転期間延長が認められた経緯がある。

同機では過去にも減肉に関連するトラブルが発生している。2004年8月には二次系配管の破損による蒸気漏れ事故が起き、作業員5名が死亡、6名が重傷を負った。この事故は、配管がエロージョン・コロージョン(腐食・浸食)により減肉し、強度が不足したことが原因とされた。2024年10月にも海水を循環させる配管の減肉により原子炉が手動停止するトラブルが発生しており、老朽化が進む発電所の維持管理に改めて注目が集まっている。

  1. 営業運転開始

    美浜原子力発電所3号機が営業運転を開始。国内初期の加圧水型軽水炉として稼働を始める。

  2. 二次系配管破損事故

    配管の減肉により蒸気漏れが発生し、作業員5名が死亡する国内最悪の人身事故となった。

  3. 定期検査の実施

    定期検査が行われたが、当時は腐食が確認されなかったためキャップの肉厚測定は見送られた。

  4. 蒸気漏れと手動停止

    タービン周辺で蒸気漏れが確認され、安全確保のため原子炉を手動で停止した。

  5. 損傷の詳細公表

    密閉用キャップに1x8センチの損傷があり、最薄部が約1ミリまで減肉していたことが公表された。