米アクシオム・スペースが日本法人設立、若田光一氏が代表に就任
要約
商業宇宙ステーションの開発を進める米アクシオム・スペースが日本法人の設立を発表した。若田光一氏が代表を務め、2029年の運用開始に向けて日本の官民需要の取り込みを狙う。
商業宇宙ステーションの開発・運用を手がける米宇宙企業アクシオム・スペースは14日、日本法人の設立を発表した。同社の最高技術責任者(CTO)を務める宇宙飛行士の若田光一氏が日本法人の代表に就任し、7月1日から業務を開始する。国際宇宙ステーション(ISS)の退役が2030年ごろに見込まれる中、ポストISS時代の地球低軌道拠点として日本の官民の需要取り込みを狙う。
2029年半ばの運用開始を目指す
アクシオム・スペースは、2028年に最初のステーションモジュールを打ち上げ、2029年初頭に第2モジュールを投入する計画だ。2029年半ばには両モジュールを合体させ、商業宇宙ステーションとしての運用を開始する見通しとなっている。さらに2030年には宇宙飛行士4人の常駐を計画しており、段階的に拠点機能を拡充していく方針である。
日本法人の業務開始
若田光一氏を代表として、日本における事業拠点を開設し、官民の需要開拓を本格化させる。
第1モジュール打ち上げ
商業宇宙ステーション構築に向けた最初の構成要素を軌道上へ投入し、ISSへのドッキングを行う予定。
第2モジュール打ち上げ
ステーション機能を拡張するための追加モジュールを投入し、居住空間や実験スペースを拡大する。
ステーション運用開始
複数のモジュールを結合し、ISSから独立可能な商業宇宙ステーションとして本格的な稼働を開始する。
ISS退役・飛行士常駐開始
ISSの運用終了に合わせ、民間独自の拠点として4人の宇宙飛行士が常駐する体制を整える。
NASAの方針転換が背景に
今回の日本法人設立の背景には、NASAが掲げるISS退役後の戦略がある。NASAはISS運用終了後、地球低軌道における活動拠点を民間企業へ移行させる方針を示しており、アクシオム・スペースはその有力な受け皿の一つとして開発を進めている。
若田氏は14日の記者会見で「日本がポストISSにおいても地球低軌道の利用にしっかり取り組んでいくという強いメッセージを受け取った」と述べ、日本法人を通じた事業展開に意欲を示した。
若田氏の経験を日本市場開拓に活用
若田光一氏は日本人初のISS船長を務めるなど、長年にわたり日本の宇宙開発の最前線で活躍してきた。JAXAを退職後、2024年4月にアクシオム・スペースに入社し、アジア太平洋地域の宇宙飛行士兼CTOとして同社の技術開発を担ってきた。日本法人の代表就任により、若田氏の豊富な経験と国際的なネットワークを日本市場の開拓に活かす構えだ。
ISSの退役が迫る中、ポストISS時代の宇宙インフラをめぐる民間企業間の競争は激化している。アクシオム・スペースが日本を拠点としてアジア太平洋市場への足場を築けるかが、今後の注目点となる。