2026/4/1
nippon-post.com
政治

衆院選「1票の格差」最大2.10倍、弁護士グループが全国一斉提訴

要約

2026年2月8日投開票の衆院選をめぐり、2つの弁護士グループが「1票の格差」は憲法違反だとして、全国14の高裁・高裁支部に289小選挙区すべての選挙無効を求めて一斉提訴した。最大格差は前回から拡大し2.10倍。

1票の格差アダムズ方式衆院選違憲訴訟選挙制度

全289小選挙区の無効求め一斉提訴

2026年2月8日に投開票が行われた衆院選について、升永英俊弁護士と三竿径彦弁護士がそれぞれ率いる2つの弁護士グループが9日、「1票の格差」が憲法に違反するとして、全国14の高裁・高裁支部に対し、289小選挙区すべての選挙のやり直しを求める訴訟を一斉に起こした。選挙の効力に関する訴訟は高裁が一審となる。

総務省が公表した有権者数のデータによると、今回の衆院選における議員1人あたりの有権者数の最大格差は2.10倍だった。最も有権者数が多い北海道3区(札幌市の一部)が約46万人、最も少ない鳥取1区(鳥取市など)が約22万人で、両選挙区の間で格差が最大となった。

前回から格差拡大、2倍超え再び焦点に

前回2024年の衆院選では最大格差が2.06倍だったが、今回は2.10倍に拡大した。2024年衆院選から人口比をより正確に反映するとされる「アダムズ方式」に基づく「10増10減」の定数変更が適用されているが、格差は縮小に至っていない。

升永弁護士は提訴後に東京都内で記者会見を開き、「過疎地域間でも1票の格差が生じている選挙区割りに合理性があるとは思えない」と述べ、現行の区割りの問題点を指摘した。

過去の最高裁判断との比較

最高裁はこれまで、衆院選の1票の格差について繰り返し判断を示してきた。2009年、2012年、2014年の各衆院選では最大格差が2.13倍から2.43倍に達し、いずれも「違憲状態」と判断された。一方、2017年、2021年、2024年の各衆院選では最大格差が1.98倍から2.08倍にとどまり、「合憲」との判断が下されている。

今回の最大格差2.10倍は、「合憲」とされた直近3回の水準を上回っており、最高裁が再び「違憲状態」と判断するかどうかが注目される。

今後の見通し

各地の高裁判決は2026年度中に出そろう見通しで、その後、最高裁が統一的な判断を示すとみられる。