米国防総省「長滑走路なければ普天間返還せず」辺野古計画に新たな壁
要約
米国防総省が普天間基地の返還条件として長い滑走路の確保を明示した。辺野古に建設予定の1800メートルの滑走路は普天間の2740メートルを大きく下回り、移設計画の根幹が揺らぐ可能性がある。
国防総省が返還条件を明示
アメリカ国防総省が、沖縄県の米軍普天間基地について、長い滑走路が選定されない限り返還しないとの立場を示していたことが明らかになった。日本政府が進める名護市辺野古への移設計画では、1本あたり1800メートルの滑走路2本を建設する予定だが、普天間基地の現滑走路は全長2740メートルあり、辺野古の計画では約940メートル短い。
国防総省の回答は、辺野古への移設完了だけでは普天間基地の返還条件を満たさないことを意味する。長い滑走路の確保が別途必要だとする米側の姿勢が鮮明となり、移設計画の先行きに新たな不透明感が生じている。
2017年の勧告と積み残された課題
アメリカ連邦議会政府監査院は2017年、代替となる滑走路の選定を勧告していた。辺野古の滑走路では普天間基地が担ってきた機能を十分に代替できないとの技術的な指摘があり、この問題は長年にわたり未解決のまま残されてきた形だ。
国防総省の今回の回答は、この勧告を踏まえたものとみられ、辺野古移設だけでは普天間返還が実現しないという構図が改めて浮き彫りとなった。
滑走路の長さが持つ意味
普天間基地の2740メートルの滑走路は、ヘリコプターだけでなく固定翼機の運用にも対応できる長さを持つ。一方、辺野古に計画されている1800メートルの滑走路2本では、こうした運用能力に差が生じる。米側が長い滑走路の確保を求める背景には、軍事運用上の要件がある。
日本政府は辺野古移設を普天間の危険性除去のための唯一の解決策と位置づけてきたが、米側が滑走路の長さを返還条件として明確に示したことで、計画の再検討を迫られる可能性がある。辺野古以外の場所での長滑走路確保を含め、日米間での調整が今後の焦点となる。