自民党、武器輸出拡大へ「5類型」撤廃を提言 戦闘国への輸出も条件付きで容認
要約
自民党安保調査会が防衛装備移転三原則の運用指針見直し素案を了承した。従来の5類型を撤廃し、戦闘中の国への武器輸出も「特段の事情」がある場合は認める内容。
安保調査会が素案を了承
自民党は2月20日、党安全保障調査会の全体会合を開き、防衛装備移転三原則の運用指針見直しに関する党提言の素案を了承した。従来の武器輸出を大幅に拡大する内容で、日本の防衛装備品輸出政策の転換点となる。
素案では、これまで輸出目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の5つに限定してきた「5類型」の撤廃が盛り込まれた。この5類型は非殺傷性の装備に輸出を限定する枠組みとして機能してきたが、今回の見直しでその制約が取り払われることになる。
第三国輸出と戦闘国への例外規定
素案にはもう一つの大きな柱がある。国際共同開発品について、共同開発国以外の第三国への完成品輸出を認める方針が打ち出された。従来は共同開発国間での移転に限られていたが、その範囲を拡大する形だ。
さらに注目されるのは、戦闘中の国への武器輸出に関する規定である。「特段の事情がある場合」には例外的に認めるとし、政府が「我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある」と判断すれば、殺傷能力のある武器の輸出が可能になるとされた。
幹部会合を経て全体会合で了承
素案は2月19日の党安保調査会幹部会合で先行して了承され、翌20日の全体会合で正式に了承された。安保調査会会長は小野寺五典が務めている。
ただし、「特段の事情」の具体的な定義や判断基準は明示されておらず、想定される輸出先の対象国も明らかにされていない。素案の正式決定時期や、政府がいつ対応するかといった今後のスケジュールも現時点では不明である。
一連の見直しは、戦後長く維持されてきた武器輸出に対する厳格な制限を大きく緩和するものであり、防衛装備品の輸出をめぐる政策が新たな局面を迎えることになる。