2026/4/3
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国内

旧統一教会に高裁が解散命令を支持、民法上の不法行為で初の判断

要約

東京高裁は2025年3月の地裁決定を支持し、旧統一教会に対する解散命令が即時効力を発生。204億円の寄付被害が認定され、法人格を失った教団の資産は裁判所選任の清算人により管理される。

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東京高裁(三木素子裁判長)は2026年3月4日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、宗教法人法に基づく解散を命じる決定を出した。2025年3月の東京地裁による解散命令決定を支持したもので、決定は即座に効力が生じ、法人としての教団の清算手続きが開始された。

民法上の不法行為を根拠とする解散命令は今回が初めてとなる。法令違反による宗教法人の解散命令は、オウム真理教、明覚寺に続く3例目である。

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※画像はイメージです

被害の全容と司法の判断

東京地裁は2025年3月の決定で、少なくとも1500人超の被害者に対し、総額約204億円に上る寄付被害を認定していた。高裁はこの判断を支持した形となる。

文部科学省(文化庁)は2022年11月から宗教法人法に基づく質問権を計7回行使し、170人超の被害者から聞き取りを実施。約5000点の証拠を収集した上で、2023年10月に東京地裁に解散命令を請求していた。文科省側は「長期間にわたって違法な寄付勧誘が繰り返され、甚大な被害が生じた」と主張した。

一方、教団側は地裁審理で「問題の解決に向けて不断の努力を継続しており解散命令の必要はない」と反論していた。

清算手続きと今後の見通し

決定の効力発生により、教団の資産は裁判所が選任する清算人により管理されることとなった。教団は法人格を失い、税制上の優遇措置も受けられなくなる。

ただし、教団には最高裁まで争う道が残されている。最高裁が判断を覆した場合、清算手続きは停止する。

銃撃事件から解散命令へ

  1. 安倍晋三元首相銃撃事件

    山上徹也被告は母親が教団に約1億円を寄付し家計が破綻したことへの恨みを動機として供述。事件を機に教団問題への社会的関心が急速に高まった。

  2. 岸田首相が解散要件の解釈を提示

    民法上の不法行為でも解散命令の要件となりうるとの解釈を示し、法令違反に限らない新たな道筋を開いた。

  3. 文化庁が質問権行使を開始

    宗教法人法に基づく質問権を計7回行使。170人超の被害者聞き取りと約5000点の証拠収集を進めた。

  4. 文科省が解散命令を請求

    収集した証拠をもとに東京地裁へ解散命令を請求。民法上の不法行為を根拠とする初の請求となった。

  5. 東京地裁が解散命令を決定

    被害者1500人超、被害総額約204億円を認定し、解散を命じる決定を出した。

  6. 東京高裁が解散命令を決定

    地裁決定を支持し、決定は即時効力発生。清算手続きが開始された。

山上徹也被告(45)は殺人罪などで起訴され、一審で無期懲役の判決を受けて控訴中である。被告は「教団への恨みがあった」と供述しており、母親が教団に約1億円を寄付していたことが明らかになっている。