高市首相、ホルムズ海峡での機雷除去に向けた自衛隊派遣を「想定できない」
要約
高市首相は3月12日の予算委員会で、ホルムズ海峡における機雷除去のための自衛隊展開について否定的な見解を示した。日本の原油輸入の約9割が同海峡を通過する中、訪米を控えた発言として注目される。
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予算委員会で明言
高市首相は3月12日の予算委員会において、ホルムズ海峡の情勢に関し「機雷除去のために自衛隊を近傍に展開することは想定できない」と述べた。機雷掃海を目的とした自衛隊派遣の可能性を明確に否定した形だ。
慎重姿勢の背景
ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約9割が通過する海上交通の要衝であり、同海峡の安全確保は日本のエネルギー安全保障に直結する。一方で、機雷除去を伴う自衛隊の海外展開には、国内法制上の制約や国会承認の問題が絡む。
2015年に成立した平和安全法制の国会審議では、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合の対応が主要な論点の一つとなった経緯がある。当時、政府は機雷敷設が「存立危機事態」に該当し得るとの見解を示していたが、今回の高市首相の発言は、現実の情勢に対してより慎重な立場を示したものといえる。
高市首相の発言には法的な背景がある。外国による武力攻撃に該当する機雷敷設の場合は国会承認を経た対応が必要な一方で、長年放置された「遺棄機雷」の除去については従来から自衛隊の活動として認められている。首相の発言は、この法的区別を念頭に置いた慎重な姿勢を反映しているものと考えられる。
訪米を前に注目集まる
高市首相は3月19日にワシントンを訪問する予定であり、トランプ米大統領が日本を含む関係国にホルムズ海峡への艦船派遣を期待しているとされる中での発言となった。米国の安全保障戦略と日本の慎重姿勢との間で、今後の外交交渉の行方が注目される。