防衛関連費GDP比1.9%に到達、2026年度予算で総額10.6兆円規模
要約
小泉進次郎防衛相が2026年度予算における防衛関連費がGDP比1.9%に達したと公表した。高市政権での前倒し達成を経て過去最大規模となるが、米国が求めるGDP比5%水準とは依然として大きな乖離がある。
小泉防衛相が会見で公表、過去最大規模の防衛予算
小泉進次郎防衛相は4月17日の記者会見で、7日に成立した2026年度予算のうち防衛関連費が国内総生産(GDP)比で1.9%になったことを明らかにした。総額は約10兆6000億円規模で、内訳は防衛省分が約9兆円、公共インフラ整備や海上保安庁関連など安全保障に関わる費用が約1兆6000億円弱となっている。
ただし、このGDP比1.9%という数値は2022年度のGDP(約560兆円)を基準として算出したものである。2026年度のGDP見通し(約690兆円)を基準とした場合、防衛関連費の割合は1.5%にとどまる。算出基準の違いによって数値が大きく変わる点は留意が必要だ。
高市前政権下で2%目標を前倒し達成
防衛費のGDP比2%目標をめぐっては、2022年に安全保障関連3文書が策定された際、2027年度までの達成が掲げられていた。しかし高市早苗前首相の政権下で、2025年度に当初予算と補正予算を合わせて約11兆円を確保し、GDP比2%を前倒しで実現している。
財源については、2022年の3文書策定時にたばこ税・法人税・所得税の3税による増税で1兆円強を捻出する方針が決定された。このうち先送りされていた所得税増税の開始時期は、2025年12月に決定されている。
安保関連3文書を策定
防衛費GDP比2%目標を設定。たばこ・法人・所得3税の増税で1兆円強の財源確保を決定した。
所得税増税の開始時期を決定
2022年に決定後、長らく先送りされていた所得税増税の具体的な開始時期を正式に決定した。
米国が国家防衛戦略(NDS)を公表
同盟国に国防費をGDP比5%まで引き上げるよう求める方針を明示し、各国に増額を促した。
2026年度予算が成立
防衛関連費は総額約10.6兆円。防衛省予算約9兆円に海保等の安保関連費約1.6兆円弱を加算。
小泉防衛相が予算内容を公表
記者会見を行い、2022年度GDP基準で1.9%に達したことを公表。算出基準による差異も説明した。
米国はGDP比5%を要求、日本の対応が焦点に
一方、米国は2026年1月に公表した国家防衛戦略(NDS)において、同盟国に国防費をGDP比5%まで引き上げるよう求める方針を示している。日本の防衛関連費は2022年度基準でも1.9%、2026年度基準では1.5%であり、米国の要求水準との間には依然として大きな隔たりがある。
米国が求めるGDP比5%に対する日本政府の具体的な対応方針や、今後予定される安保関連3文書の改定で議論される防衛装備品の調達計画など、防衛費のさらなる引き上げをめぐる議論の行方が注目される。