2026/5/11
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経済

NY円相場が反落、157円台に 米イラン交渉停滞と原油高でドル買い優勢

要約

5月11日のニューヨーク外為市場で、円相場は前週末比55銭安の1ドル=157円15〜25銭で取引を終えた。トランプ米大統領がイラン側の回答を拒絶し、中東情勢の緊迫化から原油先物価格が上昇したことがドル買いを促した。

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円は前週末比55銭安、ドル買いが優勢に

5月11日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は前週末比55銭円安・ドル高の1ドル=157円15〜25銭で取引を終えた。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が停滞しているとの見方が広がり、安全資産としてのドル買いが優勢となった。

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対ユーロでも円は3日続落し、前週末比50銭安の1ユーロ=185円20〜30銭となった。ユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.1780〜90ドルで前週末比ほぼ横ばいだった。

バノックバーン・キャピタル・マーケッツのマーク・チャンドラー氏は「消費者物価指数(CPI)や米中首脳会談を控え、様子見の雰囲気が強かった」と指摘している。

トランプ氏がイランの回答を拒絶、交渉に暗雲

円安の背景にあるのは、米・イラン交渉をめぐる不透明感の高まりである。10日にイラン国営通信(IRNA)がイランの回答を仲介国パキスタンに送付したと報じたが、トランプ大統領はSNSで「全く受け入れられない」と即座に拒絶を表明した。

11日にはトランプ氏が記者団に対し「停戦は信じられないほど壊れやすい状態だ」と述べ、交渉の先行きに対する懸念が一段と強まった。

こうした中東情勢の緊迫化を受け、WTI原油先物(期近6月物)は前週末比2.8%高の1バレル=98.07ドルで通常取引を終了した。原油価格の上昇はエネルギーコストの増大を通じてインフレ圧力を高める要因となる。

米長期金利も上昇、今週はCPIと米中首脳会談に注目

米国債券市場では、長期金利が前週末比0.06%高い4.41%で取引を終えた。米金利の上昇は日米金利差を拡大させ、円売り・ドル買いを促す要因となる。

  1. イランが回答を送付

    イラン国営通信(IRNA)が、米国側への回答を仲介国のパキスタンに送付したと報道。トランプ大統領はSNS上でこの回答を拒絶した。

  2. NY市場で円が反落

    交渉停滞への懸念からドル買いが進み、円は157円台に下落。トランプ氏は停戦状態を「非常に壊れやすい」と言及し、原油先物も2.8%上昇した。

  3. 米CPI発表予定

    4月の米消費者物価指数が公表される。結果はFRBの今後の金融政策を左右し、為替相場にも大きな影響を与える見通し。

  4. 米中首脳会談予定

    トランプ大統領と習近平国家主席の会談が行われる。通商問題や地政学リスクを巡る議論が焦点となる見込み。

今週は12日に4月の米消費者物価指数(CPI)の発表が控えるほか、14〜15日にはトランプ大統領と習近平中国国家主席による米中首脳会談が予定されている。インフレ動向と米中関係という二つの大きな材料を前に、市場は神経質な展開が続く可能性がある。