1. ホルムズ海峡と日本のエネルギー事情\n\n日本は原油の約9割を中東から輸入しており、その大半がホルムズ海峡を経由しています。ホルムズ海峡は世界の原油輸送量の約2割が通過する要衝で、イランと周辺諸国との緊張や軍事衝突といった地政学的リスクを常に抱えています。過去にはホルムズ海峡付近で日本関連タンカーが攻撃される事件も発生しており、同海峡の封鎖は日本経済に深刻な影響を及ぼしかねない「アキレス腱」とされてきました。\n\n2. 原油調達ルートの多角化とは\n\n日本政府は長年にわたり「中東依存からの脱却」を掲げ、輸入先の地域・国・原油種類の多様化を進めてきました。具体的な代替調達先としては、米国産シェールオイルやメキシコ産原油、中央アジア産原油などが挙げられます。また、ホルムズ海峡を迂回するルートとして、アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港やサウジアラビアの紅海沿岸にあるヤンブー港なども利用されています。今回の会議ではこれらに加え、アフリカからの調達も新たに示されました。\n\n3. 国家備蓄の仕組み\n\n国家備蓄とは、原油供給の途絶など緊急時に備えて国が保有する石油の備蓄制度です。供給不安が高まる際には国家備蓄の放出が重要な対応策となり、民間備蓄と合わせて一定期間の供給を確保することが可能になります。過去にも中東情勢の緊迫化を受けた放出事例がありますが、今回、高市首相は備蓄放出に頼らず代替調達で対応する方針を明確にしています。