高市首相、経団連会長と会談 「新技術立国」へ研究費実質倍増の意欲示す
要約
高市首相は経団連の筒井会長と科学技術政策について会談し、大学や国の研究機関の研究費を実質的に倍増させる方針を表明しました。現時点では具体的な財源や達成時期は明らかにされていません。
高市早苗首相は13日、経団連(日本経済団体連合会)の筒井義信会長と会談し、科学技術政策をめぐって意見交換を行った。高市首相はこの中で「新技術立国」の実現を掲げ、大学や国の研究機関などの研究費を実質的に倍増させる意欲を示した。
「実質的に倍増となるよう取り組む」
高市首相は会談の中で、「『新技術立国』の実現に向けて、大学や国の研究機関などの研究費が実質的に倍増となるよう取り組む」と述べた。研究費の倍増対象として、大学および国の研究機関を明示した形である。
高市首相は2025年10月の所信表明演説で「新技術立国」を政策方針として打ち出しており、今回の会談はその具体化に向けた動きの一環と位置づけられる。経済安全保障の観点から、AI、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、核融合、宇宙の6分野を「国家戦略技術」として重点支援する方針も掲げてきた。
経団連も研究開発投資の拡充を提言
会談の相手となった筒井会長が率いる経団連は、2026年5月に「科学技術立国」実現に向けた緊急提言を発表している。この提言では、2040年度までに官民合わせた研究開発投資を名目GDP比5%、年間50兆円規模へと倍増させる目標を掲げており、首相の方針と軌を一にする内容である。
日本の研究開発費をめぐっては、国際比較において対GDP比率やトップレベル論文数で韓国や中国に後れを取る状況が指摘されてきた。企業による研究開発費の負担割合が高い一方、政府の負担割合が低い傾向にあり、公的研究費の拡充が課題となっている。
財源や時期は示されず
ただし、研究費倍増に向けた具体的な財源や予算確保の手段、達成時期については、今回の会談では明らかにされていない。「実質的に」という表現が何を基準とするかも不明のままだ。
米中をはじめとする各国が研究開発投資を急拡大させる中、日本が国際競争力を維持・強化するために研究開発投資の拡充は喫緊の課題とされている。首相が掲げた方針がどのような形で予算に反映されるのか、今後の動向が注目される。