2026/4/1
nippon-post.com
経済

アサヒビール、サイバー攻撃から復旧し5カ月ぶり月次実績公表 1月売上高は11%減

要約

2025年9月のサイバー攻撃で実績開示が止まっていたアサヒビールが、5カ月ぶりに1月のビール類売上高を発表。前年同月比11%減となった一方、他の大手3社は酒税改正によるビール需要増を背景に販売を伸ばしている。

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サイバー攻撃の影響残り、1月売上高は前年比11%減

アサヒビールは2月12日、1月の国内ビール類飲料売上高が前年同月比11%減だったと発表した。ビール類の月次実績公表は5カ月ぶりとなる。主力の「スーパードライ」の1月販売数量も9%減となった。

親会社のアサヒグループホールディングス(GHD)では2025年9月にサイバー攻撃によるシステム障害が発生し、正確な実績値が集計できない状態が続いていた。この間、酒類全体の概算値のみの開示にとどまっていたが、2025年12月にシステムによる受発注を再開。2026年2月にはほとんどの商品の供給が正常化した。

同時に公表された2025年年間のビール類売上高は前年比4%減。スーパードライの年間販売数量は6%減の6917万ケース(大瓶換算)だった。

他の大手3社は1%増、ビール単独では6%増

アサヒを除くキリンビール、サッポロビール、サントリーの大手3社の1月販売数量は、前年同月比1%増となった。家庭向け缶が1%増、飲食店向けの瓶・樽も1%増で推移した。

ビール単独では6%増と堅調だった一方、発泡酒と第三のビールを合わせたエコノミージャンルは4%減となった。10月に実施された酒税改正に伴うビール減税の効果が、ビールへの需要シフトとして表れた格好である。

各社の明暗分かれる1月

企業別では、キリンビールが金額ベースで8%増となり、「一番搾り」ブランド全体が5%増と好調だった。サッポロビールも企業全体で5%増、「黒ラベル」ブランド全体が5%増となった。

一方、サントリーは企業全体で2%減。「ザ・プレミアム・モルツ」シリーズが前年のリニューアルの反動で12%減と落ち込んだ。「金麦」は1%増だった。

アサヒビールの供給正常化により、今後は4社間の競争環境が本格的に再開される。サイバー攻撃による顧客離れの影響がどこまで残るかが、同社の回復を占う焦点となる。