クボタ、売上高目標を撤廃し利益重視へ転換 ROE12%を新たな経営指標に
要約
クボタが2030年までの中期経営計画で初めて売上高目標を撤廃し、自己資本利益率12%を掲げた。北米での過度な販促施策を見直し、規模追求から収益性重視へ経営の軸足を移す。
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中計で初めて売上高目標を外す
クボタは13日、2030年までの中期経営計画を公表し、同社として初めて売上高の目標を撤廃した。利益面の指標に絞り、自己資本利益率(ROE)12%を新たな経営目標として設定する。花田晋吾社長が同日、大阪市内の本社で記者会見を開いて明らかにした。
花田社長は会見で「アジア勢の本格参入に対して無理をしてきた。もう無理にシェアは追わない」と述べ、規模拡大を重視してきた従来の経営方針からの転換を鮮明にした。
北米の販促施策を縮小へ
利益重視の具体策として、北米を中心に展開してきた顧客のローン金利を数年間にわたって肩代わりする販促施策を縮小する方針を示した。同施策は販売拡大に寄与してきた一方、収益を圧迫する要因にもなっていた。
一方で、花田社長は「挑戦的な目標だが、大胆な事業売却や人員削減はせずに達成できる」とも語り、大規模なリストラには踏み込まない考えを強調した。近年、製造業では黒字でも大規模な構造改革に着手する企業が相次いでいるが、クボタは既存の事業基盤を維持しながら収益性の向上を目指す道を選んだ形だ。
売上から利益へ、経営の軸足を移す
今回の中期経営計画は、農機メーカーとして世界的な地位を築いてきたクボタが、成長の「量」から「質」へと明確に舵を切ったことを意味する。売上高という従来の成長指標を捨て、資本効率を示すROEを前面に据えた判断は、同社の経営思想の根本的な転換といえる。