1. 農林水産省のコメ価格調査について
農林水産省は、米の需給や価格の動向を把握するため、複数の統計調査を定期的に実施しています。今回発表された小売価格調査は、全国約6千の小売店を対象に、店頭でのコメの販売価格を調べるものです。このほかにも、一定規模以上の出荷業者を対象とした相対取引価格の月次調査や、全国約1,000店舗のPOSデータに基づく産地品種銘柄別の平均価格調査なども行われており、毎月中旬には需給・価格動向を総合的にまとめた「マンスリーレポート」が公表されています。
2. コメ価格高騰の構造的背景
日本のコメ価格は、2023年産の酷暑による品質低下で精米歩留まりが下がったことをきっかけに上昇傾向が続いてきました。700万トン規模の需要に対して約30万トン程度の供給不足が発生し、在庫水準も歴史的な低水準に落ち込みました。2024年産でも需要705万トン超に対し生産683万トンと需給が逆転する状態が続きました。インバウンド客の増加や企業の先行調達なども需要を押し上げる要因となっています。2026年1月には5kg平均4,416円で過去最高を更新し、16週以上連続で4,000円超の高水準が続いています。
3. 今後の見通し
2025年産のコメについては、生産量735~748万トン(前年比56万トン増)と増産への転換が進められています。専門家の間では、春から夏にかけて3,000円台後半への価格低下が予測されていますが、減反政策により水田の約4割が生産調整されている構造的な問題もあり、天候不順などの変動要因に対する余裕は限られた状態が続いています。