中国への直接投資、前年比4倍も ピーク時の4分の1以下で歴史的低水準続く
要約
中国国家外貨管理局が公表した2025年の国際収支統計で、外資の対中直接投資は765億ドルと前年から大幅に回復したものの、2021年のピーク時と比べるとなお4分の1以下の水準にとどまり、歴史的な低迷が続いている。
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2025年の対中直接投資は765億ドル
中国国家外貨管理局は2月13日、2025年の国際収支統計を公表した。それによると、外資企業による対中直接投資額は765億ドル(約11兆7千億円)で、前年比約4倍に増加した。
しかし、この数字はピーク時と比較すると4分の1以下の水準にとどまっており、対中投資が歴史的な低迷から本格的に回復したとは言い難い状況だ。
「4倍増」の裏にある構造的低迷
前年比約4倍という伸び率は一見すると力強い回復に映る。だが、2024年の投資額自体が極端に落ち込んでいたことを踏まえると、765億ドルという水準は依然として歴史的な低水準にある。
対中直接投資は2021年に3,441億ドルのピークを記録した後、急速な減少が続いてきた。米中対立の激化や地政学リスクの高まりを背景に、外資企業がサプライチェーンの見直しを進めてきたことが大きな要因とされる。
構造変化が映す投資環境の変容
対中投資の低迷は一時的な景気変動ではなく、グローバルな供給網の再編という構造的な変化を反映している。中国への依存度を下げる「チャイナプラスワン」戦略を採る企業が増加し、インドや東南アジアなど代替拠点への投資シフトが進んでいる。
765億ドルへの回復は底打ちの兆しとも受け取れるが、ピーク時の4分の1以下という現実は、外資にとっての中国の投資先としての位置づけが大きく変わりつつあることを示している。