2026/4/1
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経済

住友林業、米住宅メーカーのトリ・ポインテを約6200億円で買収へ

要約

住友林業が米戸建て住宅メーカーのトリ・ポインテ・ホームズを約41億ドルの全額現金で取得する。買収完了後、米国でのグループ供給戸数は約1万8000戸に拡大する見通しだ。

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住友林業は13日、米国の戸建て住宅メーカー、トリ・ポインテ・ホームズ(Tri Pointe Homes)を約41億ドル(日本円で6200億円余り)で買収すると発表した。全額現金による取引で、1株あたり47ドルでの取得となる。

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※画像はイメージです

米国での供給戸数を大幅に拡大

トリ・ポインテ・ホームズは2009年に創業し、米国の西部・南西部・南東部の13州で事業を展開する住宅メーカーだ。年間約6460戸の新規着工実績を持ち、カリフォルニア州アーバイン市に本社を置く。17の地域分社を擁している。

今回の買収により、住友林業グループの米国における単一家族住宅の供給戸数は約1万8000戸に拡大する。さらに中期目標として、2030年までに米国で年間2万3000戸の供給を掲げており、業界トップティアへの到達を目指す方針だ。

垂直統合モデルで差別化を図る

住友林業は2003年にシアトルから米国住宅事業を開始して以来、段階的にM&Aを重ねてきた。2018年にクレセント・コミュニティズの主要事業を買収し、2023年にはDRB傘下のフロリダ州ビスケーン・ホームズを取得。現在は米国全土16州で事業を展開し、グループ販売戸数は全米8位相当の規模に成長している。

同社の米国戦略の特徴は、土地開発の所有・管理から建材の製造・調達、住宅建設までを一体で運営する垂直統合モデルにある。ルイジアナ州に製材工場を所有し、子会社クレストで床材やキッチンキャビネットを製造・供給する体制を構築。木材相場や関税変動に対する耐性を高めている。

  1. 米国住宅事業に参入

    シアトルを拠点に事業を開始。海外住宅事業の第一歩を踏み出した

  2. クレセント・コミュニティズ買収

    不動産開発事業の主要部分を取得し、土地開発から建設までの統合を加速

  3. ビスケーン・ホームズ買収

    フロリダ州の住宅メーカーを取得し、南東部の事業基盤を強化

  4. 豪メトリコン・グループ取得

    オーストラリア最大手の過半株を112億円で取得。グローバル展開を拡大

  5. トリ・ポインテ買収を発表

    約6200億円の大型買収で米国供給戸数を約1万8000戸に引き上げ

国内市場の縮小と米国市場の成長

買収の背景には、国内の戸建て住宅市場が縮小傾向にある一方で、米国住宅市場には構造的な成長余地がある点がある。米国では人口増と労働者不足を背景に住宅供給の不足が続いており、一戸建て賃貸住宅市場の急成長やリモートワークによる人口移動といった新たな需要も生まれている。

トリ・ポインテ・ホームズは買収後も現経営陣のもとで独立ブランドを維持する方針だ。日本の住宅メーカーによる大型の海外買収としては、2024年1月に積水ハウスが米M.D.C.ホールディングスを約7000億円で取得しており、米国市場をめぐる競争が激化している。