公取委、日産系ディーラーに下請法違反で勧告へ 修理車両の無償運搬で初の認定
要約
日産東京販売が下請け企業に修理車両を無償で運搬させていた行為について、自動車ディーラーと整備事業者間の取引で初めて違反が認定される見通しとなった。
コンプライアンス公正取引委員会日産自動車自動車業界
下請け企業に無償運搬を強いる
公正取引委員会が、日産自動車系ディーラーの日産東京販売(東京都品川区)に対し、下請法(現・中小受託取引適正化法)違反で再発防止などを求める勧告を行う方針を固めたことが16日、関係者への取材で分かった。
日産東京販売は、自動車の修理を委託した下請け企業に対し、修理車両を無償で運搬させていた。公取委はこの行為が下請法に違反すると判断した。自動車ディーラーと整備事業者の取引において、修理車両の無償運搬を違反として認定するのは初めてとなる。
業界の商慣習にメス
自動車ディーラー業界では、無償での車両運搬が長年にわたり商慣習として定着してきた経緯がある。中小の整備事業者はディーラーとの取引関係を維持するため、こうした慣行に異議を唱えにくい構造的な問題が指摘されてきた。
公取委と中小企業庁は2025年12月、自動車ディーラー160社に対して下請法違反で指導を行っており、業界全体の取引適正化に向けた監視を強めている。今回の勧告は、こうした取り組みの一環に位置づけられる。
日産グループで相次ぐ違反
日産グループをめぐっては、2024年3月に日産自動車本体が下請け企業への不当な代金減額で公取委から勧告を受けている。今回、グループ傘下のディーラーにも勧告が出される見通しとなったことで、グループ全体の取引慣行が改めて問われることになる。
なお、2026年1月には従来の下請法が「中小受託取引適正化法(取適法)」に改正・施行されており、取引の適正化に向けた規制の枠組みが強化されている。公取委は新法のもとで監視をさらに厳格化する構えだ。