2026/4/1
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経済

研究開発減税、2024年度に初の1兆円超え 企業の投資拡大が背景

要約

財務省がまとめた租税特別措置の適用状況で、研究開発税制の減税額が1兆69億円に達したことが判明。税額控除全体では2兆円台に上る。

日本経済産業政策研究開発税制優遇財務省

研究開発減税が過去最高を更新

財務省がまとめた2024年度の租税特別措置(法人税分)の適用状況で、研究開発税制による減税額が1兆69億円となり、初めて1兆円の大台を超えたことが明らかになった。企業が研究開発投資を拡大したことが主な要因とされている。

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※画像はイメージです

この資料は租特透明化法に基づき国会に提出されるもので、2026年2月18日に開会した特別国会への提出が予定されている。

税額控除全体で2兆円台に

法人税から一定額を差し引く税額控除による減税額は、研究開発税制を含めた合計で2兆円台に達した。研究開発税制が全体の大きな割合を占める構図が浮き彫りとなった。

研究開発税制は、企業が行う試験研究費に対して法人税額から一定割合を控除できる仕組みで、1967年の創設以来50年以上の歴史を持つ。民間企業の研究開発投資を後押しし、イノベーション創出や国際競争力の強化を目的としている。

企業の研究開発投資が拡大

減税額が1兆円を超えた背景には、企業による研究開発投資の拡大がある。日本の研究開発費総額は2023年度に22兆497億円と前年度比6.5%増を記録しており、GDP比率は3.70%と過去最高に達している。このうち企業が16兆1199億円と全体の約7割を負担しており、民間主導の投資構造が特徴だ。

近年はAI、量子技術、バイオテクノロジーといった先端分野への投資が拡大しているほか、脱炭素や電動化など産業構造の転換に伴う研究開発ニーズの高まりも、減税額の増加につながったとみられる。

一方、減税額が1兆円を超えたことは、同規模の税収減が生じていることも意味する。財務省は毎年、租税特別措置の効果について実態調査を行い国会に報告しており、政策効果と税収のバランスが引き続き議論の焦点となりそうだ。