東北電力株が1年3カ月ぶり高値、原発テロ対策施設の設置期限見直しで買い
要約
原子力規制委員会がテロ対策施設の設置期限見直しを決めたことで、2026年12月の期限が迫っていた東北電力の原発停止リスクが後退し、株価が2024年11月以来の高値を付けた。
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原発停止リスク後退で買い集まる
2026年2月19日の東京株式市場で、東北電力(9506)の株価が2024年11月以来、約1年3カ月ぶりの高値を付けた。原子力発電所の新規制基準で義務付けられたテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の設置期限が見直されることになり、原発停止による業績下押しリスクが後退したとの見方から買いが入った。
全国最短の期限が迫っていた東北電力
東北電力のテロ対策施設設置期限は全国の原発の中で最も早く、2026年12月に迫っていた。期限までに施設が完成しなければ原発の運転停止を余儀なくされるため、市場では業績への悪影響が懸念されていた。
原子力規制委員会は2月18日の定例会で、テロ対策施設の設置期限について見直す方針を決定した。現行の規制では原発本体工事の計画認可から5年以内の設置が義務付けられているが、建設業界の労働環境の変化などを背景に、事業者の努力だけでは期限内の完成が困難な状況が生じていた。
背景に建設業界の人手不足
テロ対策施設は一基あたり500億〜1,200億円規模の大型工事となる。働き方改革関連法に伴う時間外労働の上限規制の影響で建設作業員の確保が難しくなっており、東北電力に限らず複数の電力会社が同様の課題に直面している。過去には関西電力の高浜原発4号機など、期限までに施設を完成できず運転停止に至ったケースもある。
規制委による期限の見直しは、東北電力だけでなく電力業界全体にとって運転停止リスクの軽減につながる可能性があり、市場はこれを好材料と受け止めた形だ。