電機大手、ベア月1万8千円要求で春闘始動 過去最高額も早期退職は加速
要約
電機大手の労組が19日、過去最高額となる月1万8千円のベースアップを一斉要求した。一方で2025年の早期退職募集は電気機器が18社と業種別最多となり、賃上げと人員削減が同時進行する構図が鮮明になっている。
ベースアップ早期退職春闘賃上げ電機連合
電機大手労組、過去最高のベア要求書を提出
電機大手の各労働組合は19日、2026年春闘の要求書を一斉に会社側へ提出した。ベースアップの要求額は月1万8千円で、前年を1千円上回り、現在の要求方式が始まった1998年以降の最高額となる。
要求額は産業別組織である電機連合の目標に沿ったもので、電機業界では大手労組が要求額をそろえる「統一交渉」が慣例となっている。電機連合の組合員数は約58万6千人にのぼる。回答は3月中旬が見込まれている。
日立製作所では経営側も前向き姿勢
日立製作所では、半沢美幸労組委員長が要求書を提出し、滝本晋常務が受け取った。滝本常務は「人への投資を社員のモチベーション向上や高い価値発揮につなげ、会社の成長を促すための議論を深めていきたい」と述べ、交渉に前向きな姿勢を示した。
電気機器の早期退職募集企業は前年比5社増
賃上げ交渉が進む一方、電機業界では人員削減の動きも続いている。東京商工リサーチの調査によると、2025年に早期退職を募集した上場企業43社のうち、「電気機器」が18社で業種別の最多だった。前年より5社増加しており、人件費の高い中高年層を対象とした人員整理が広がっている。
賃上げと人員削減が同時進行する構図
電機業界では、現役社員への賃上げを進めながら、早期退職による人員構成の見直しを同時に行う動きが定着しつつある。統一交渉で過去最高額の賃上げを要求する労組と、構造改革を急ぐ経営側の思惑が交錯する中、3月中旬の回答に向けた交渉の行方が注目される。