2026/4/1
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経済

2025年の米貿易赤字9014億ドル、前年比0.2%減の微減にとどまる

要約

米国の2025年通年の貿易赤字が9014億ドルとなり、前年から0.2%の縮小にとどまった。トランプ政権の関税政策にもかかわらず、9000億ドルを超える赤字が2年連続で続き、貿易収支の構造的不均衡が改めて浮き彫りとなった。

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9014億ドル、ほぼ横ばいの赤字水準

2025年の米国の貿易赤字は9014億ドルとなり、前年(2024年)比で0.2%の減少にとどまったことが明らかになった。9000億ドルを超える大幅な赤字が2年連続で続いた形であり、米国の貿易収支の構造的な不均衡が改めて示された。

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※画像はイメージです

2024年の貿易赤字は9178億ドルで、前年から約1329億ドルの急拡大を記録していた。2025年はそこからわずかに縮小したものの、減少幅はごくわずかであり、赤字の高止まりが鮮明となっている。

関税政策の効果は限定的

2025年1月に発足した第2次トランプ政権は、全輸入品への基本関税10%の賦課をはじめ、57カ国への重層的な関税引き上げなど大規模な通商政策を打ち出した。しかし、通年の数字を見る限り、これらの措置が貿易赤字の圧縮に与えた効果は極めて限定的だったといえる。

2025年1〜10月の集計では、輸入は前年同期比6.7%増の2兆8758億ドル、輸出は6.0%増の1兆8219億ドルとなっており、輸入の伸びが輸出の伸びを上回る構図は変わっていない。

駆け込み需要が赤字を押し上げた側面も

2025年の貿易収支を四半期ごとに見ると、第1四半期の赤字が3906億ドルと過去最大を記録したことが特徴的である。関税の本格発動を前に、企業が駆け込みで輸入を増やしたことが主な要因とされる。

米国にとって最大の赤字相手国は中国であり、2024年時点で対中赤字は2862億ドルに上る。メキシコ(1698億ドル)、ベトナム(1283億ドル)がこれに続く。対中関税はEVで100%、太陽電池や半導体で50%と大幅に引き上げられたが、赤字の大幅な縮小には至っていない。

9000億ドル台の赤字が定着しつつある現状は、関税という手段だけでは貿易不均衡の解消が容易ではないことを物語っている。