米国モノ貿易赤字が過去最大、2025年は1兆2409億ドルに拡大
要約
米商務省が発表した2025年の貿易統計によると、輸出も輸入も増加したが、輸入の伸びが上回り赤字額は前年比2.1%増となった。関税発効前の駆け込み輸入が赤字拡大の一因とみられる。
米商務省は2月19日、2025年のモノ(財)の貿易統計を発表した。季節調整済みの貿易収支赤字額は1兆2409億ドル(約192兆円)となり、前年比2.1%の増加で過去最大を更新した。
輸出入ともに増加、輸入の伸びが上回る
2025年のモノの輸出は2兆1974億ドルで前年比5%以上の増加、輸入は3兆4384億ドルで同4%超の増加となった。輸出・輸入ともに拡大したものの、輸入額が輸出額を大幅に上回る構造は変わらず、差し引きの赤字額は過去最大に膨らんだ。
駆け込み輸入と相互関税の影響
赤字拡大の背景には、トランプ大統領が推進する高関税政策をめぐる企業行動の変化がある。2025年1〜3月には、関税の本格発効を前に「駆け込み輸入」が増加し、輸入額を押し上げた。
一方、8月以降は「相互関税」が本格的に発動され、輸入は前年を下回る水準で推移し続けた。年前半の駆け込み需要が年間ベースの赤字額を膨張させた格好である。
関税政策と貿易赤字の行方
トランプ大統領は海外からの輸入品に高関税を課す政策を進めてきたが、2025年通年の結果としては貿易赤字の縮小にはつながらなかった。巨額の貿易赤字が今後の通商政策にどのような影響を及ぼすか、引き続き注目される。