日経平均が一時1700円超の急落、イラン情勢悪化でリスク回避広がる
要約
3日の東京株式市場で日経平均株価が1700円超下落。米イスラエル軍のイラン攻撃とハメネイ師死亡、これに続くイランの報復ミサイル発射で中東紛争が急速に深刻化し、原油供給への懸念からリスク回避の売りが膨らんでいる。
午後の取引で下げ幅拡大、一時1700円超安
3日午後の東京株式市場で、日経平均株価が下げ幅を大きく拡大した。前日(2日)終値からの下げ幅は一時1700円を超え、5万6353円近辺まで値を下げた。午後に入っても下落に歯止めがかからず、リスク回避の売りが市場全体を覆う展開となっている。
イラン情勢の急激な悪化が引き金に
急落の背景にあるのは、イラン情勢の深刻化だ。米軍とイスラエル軍がイランに対し約500の標的を攻撃し、最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡。これに対しイランはサウジアラビア、UAE、カタール、イラクなど複数の国に向けてミサイルを発射し、中東全域に緊張が広がっている。
エミレーツ航空やエティハド航空、カタール航空など主要航空会社が運航を停止するなど、中東地域の航空網にも深刻な影響が出ている。日本政府もイラン在留邦人が4割程度減少したことを踏まえ、退避への備えを強化している状況だ。
エネルギー供給への懸念が市場を圧迫
市場が特に警戒しているのは、エネルギー供給への影響である。ホルムズ海峡の事実上の封鎖懸念から原油価格が急騰し、中東からのLNG供給停滞により欧州と日本の電力先物が2割高に跳ね上がった。日本は原油輸入の9割超を中東に依存しており、紛争の長期化はエネルギー価格や物流コストの上昇を通じて景気を直撃しかねない。
前営業日の2日にも日経平均は一時1500円超の下落を記録しており、2営業日連続の大幅安となった。リスク回避の局面では安全資産とされる円が買われやすく、円高が輸出企業の収益を圧迫するとの見方も売り材料となっている。防衛関連株には買いが入る一方、製造業や運輸業にはエネルギーコスト上昇への懸念が重くのしかかっている。