欧州エネルギー市場、天然ガス・原油先物が急騰 米イラン対立で供給懸念広がる
要約
米国とイランの軍事的緊張の高まりにより、ホルムズ海峡経由のエネルギー供給懸念が欧州市場を直撃し、天然ガスは1メガワット時あたり44ユーロ(約25%高)、原油はバレルあたり65ドル台半ばまで上昇した。
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米イラン対立が欧州エネルギー市場を直撃
米国とイランの間で攻撃の応酬が続くなか、欧州のエネルギー市場で天然ガスと原油の先物価格が3日、大きく上昇した。中東情勢の緊迫化により、エネルギー供給が滞るとの懸念が市場全体に広がっている。
欧州の天然ガス先物の指標であるオランダTTF市場では、価格が一時約25%高となり、1メガワット時あたり44ユーロに達した。原油市場でも米国産WTI先物が1月末以来の高値水準となる1バレル65ドル台半ばまで上昇し、エネルギー関連の先物が軒並み値を上げる展開となった。
供給懸念の焦点はホルムズ海峡
市場が警戒を強める最大の要因は、世界の原油・LNG輸送の約20%以上が通過するホルムズ海峡の安定性である。米イラン間の軍事的緊張が高まれば、同海峡の通行に支障が生じる可能性があり、エネルギー供給網への打撃は避けられない。
欧州はロシア産エネルギーの供給縮小に対応するため、中東からの調達比率を高めてきた経緯がある。そのため中東の地政学リスクが欧州のエネルギー価格に直結しやすい構造となっている。
欧州経済への波及も懸念
エネルギー価格の急騰は、欧州の製造業を中心にコスト圧力として波及する可能性がある。中東地域の情勢が不透明ななか、投資家の間では金などの安全資産への逃避も進んでおり、株式市場にも影響が及んでいる。
今後の焦点は、米国とイランの間で軍事的な緊張がさらにエスカレートするかどうかに移る。事態が長期化すれば、欧州のエネルギー安全保障のあり方そのものが改めて問われることになる。