NY円相場が続落、中東情勢の原油高と弱い米雇用統計が交錯
要約
6日のニューヨーク外国為替市場で円が続落し1ドル=157円台後半で取引を終えた。中東情勢の長期化観測で原油先物が約2年5カ月ぶりの高値をつけ、エネルギー輸入国である日本の通貨に売り圧力がかかった。
NY円相場が続落、中東情勢の原油高と弱い米雇用統計が交錯
円は対ドルで続落、157円台後半に
2026年3月6日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が続落した。前日比30銭円安・ドル高の1ドル=157円80~90銭で取引を終え、一時は1ドル=158円09銭まで円安が進む場面もあった。ユーロに対しても前日比45銭円安の1ユーロ=183円20~30銭となった。
原油高が円売りの主因に
円安の主な要因となったのは、中東情勢の長期化観測による原油先物相場の上昇である。米国・イスラエルとイランの衝突が続くなか、トランプ米大統領は「イランとの合意は無条件降伏以外はありえない」と発言。一方、イランのアラグチ外相も「停戦を求めていない」と応じており、事態の早期収束は見通せない状況だ。
こうした緊張の高まりを受け、WTI原油先物4月物は一時1バレル=92.61ドルと約2年5カ月ぶりの高値を記録し、前日比で12%の急騰となった。日本はエネルギー輸入依存度が高く、原油高は日本経済に打撃を与えるとの見方から円売りが広がった。ゴールドマン・サックスは「原油高が進んでいるため円が安全資産として機能していない」との見解を示している。
弱い米雇用統計で一時円買いも
一方、同日発表された米2月雇用統計は市場予想を大きく下回る結果となった。非農業部門の雇用者数は前月比9万2000人減で、市場予想の5万人増から大幅に乖離した。失業率も4.4%と市場予想の4.3%を上回った。
この結果を受けて一時的に円買い・ドル売りが優勢となったものの、原油高による円売り圧力が上回り、最終的には円安方向で取引を終えた。中東リスクの高まりがエネルギー輸入国としての日本の構造的な弱さを際立たせる形となり、従来の「有事の円買い」は機能しなかった。