日経平均株価が4000円超の急落、イラン情勢緊迫で原油先物も急騰
要約
米国・イスラエルによるイラン攻撃を受けてホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、原油先物価格が急騰。日経平均株価の下げ幅は4000円を超え、東京株式市場では全面安の展開となった。
日経平均、下げ幅4000円超の急落
9日の東京株式市場で、日経平均株価の下げ幅が4000円を超えた。イラン情勢の急速な緊迫化を背景に、原油先物価格が急騰し、投資家のリスク回避姿勢が一気に強まった形だ。東証プライム市場では9割超の銘柄が下落する全面安の展開となっている。
原油急騰がリスク回避を加速
今回の株価急落の直接的な引き金となったのは、原油先物価格の急騰である。2月28日に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を発表して以降、中東の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥った。WTI原油先物は日本時間9日早朝に1バレル111.24ドルまで上昇し、前週末から22%の急騰を記録。2022年7月以来、約3年8カ月ぶりの高値水準に達した。
ホルムズ海峡は世界の石油輸送量の25%以上にあたる日量2020万バレルが通過する要衝であり、日本の原油輸入の94%が中東に依存している。海峡の封鎖が長期化すれば、日本のエネルギー供給に深刻な影響を及ぼしかねない状況だ。
全面安、幅広い業種に売り波及
原油価格の大幅上昇を受け、市場ではインフレ圧力の高まりが強く意識された。ガソリンや電気代の上昇は製造業のコストを圧迫するだけでなく、家計の消費余力を奪うことになる。消費関連銘柄を中心に売りが広がり、AI関連銘柄を含むハイテク株にも売却の波が及んだ。
複数のエコノミスト機関は、原油価格の見通しとして標準シナリオで80ドル、リスクが高まった場合は120~130ドル、最悪のケースでは2008年の最高値水準にあたる140ドルまでの上昇もあり得ると試算している。
一方で、イランが米国との接触を通じて戦争終結条件の協議を提案したとの報道もあり、外交的解決が進めば原油価格の調整が入る可能性も残されている。市場では、地政学リスクの行方とインフレ・景気後退の二重圧力への警戒が続いている。