2026/4/1
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経済

原油供給不安で石化メーカーが減産へ 三菱ケミカルは6日から、出光興産も停止検討

要約

中東情勢の緊迫化を背景に、三菱ケミカルが茨城県の設備でエチレン減産を開始したほか、出光興産も山口・千葉の設備で生産停止の可能性を取引先に通知した。食品包装や自動車部品など幅広い製品への影響が懸念される。

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石化メーカーに減産の動き広がる

中東情勢の緊迫化により原油などの供給に不安が生じるなか、国内の石油化学メーカーが石油化学製品の生産量を減らす動きが広がっている。三菱ケミカルは茨城県の生産設備で6日からエチレンの生産量を減らしており、出光興産も山口県と千葉県のエチレン生産設備で生産を止める可能性があると取引先企業に伝えた。

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※画像はイメージです

エチレンは原油から得られるナフサ(粗製ガソリン)を熱分解して製造される基礎化学品だ。加工を経て食品包装材、自動車内装部品、衣料など日常生活に密接に関わる幅広い製品の原料となる。供給の減少は産業全体に波及する恐れがある。

三菱ケミカル、供給途絶に先手

三菱ケミカルは9日、茨城県の生産設備でエチレンの生産量を6日から減らしていることを明らかにした。同社広報は「供給が減った際の設備停止を避けるために減産している」と説明しており、原料であるナフサの調達が滞った場合に備えた予防的措置であることを示した。

設備を急に停止すると再稼働に時間とコストがかかるため、段階的に生産量を落とすことで、供給途絶時のリスクを最小限に抑える狙いがあるとみられる。

出光興産は生産停止の可能性を通知

出光興産も9日までに、山口県と千葉県のエチレン生産設備で生産を停止する可能性があることを取引先企業に伝えた。現時点では停止の実行時期は明らかになっていないが、取引先への事前通知は、事態が長期化する可能性を見据えた対応といえる。

住友化学も動向が注目されるメーカーの一つだが、現時点で対応の詳細は明らかになっていない。

川下産業への波及懸念

エチレンをはじめとする基礎化学品は、プラスチックや合成繊維など多くの素材の出発点にあたる。石油化学メーカーの減産が長期化すれば、食品包装材や自動車部品、衣料品といった川下産業の生産にも影響が及ぶ可能性がある。

中東情勢の行方次第では、原料調達の困難がさらに深刻化することも想定され、国内の石油化学産業は厳しい局面を迎えている。