2026/4/1
nippon-post.com
経済

国内損保大手3社、中東情勢悪化で船舶向け戦争保険料を値上げへ

要約

中東地政学リスクの高まりを受け、国内損保大手3社が戦争・テロ被害を補償する船舶保険の保険料値上げを決定した。

中東情勢損害保険業界海運保険

損保大手3社が船舶保険料の値上げを決定

国内損害保険大手3社が、船舶向け保険の保険料を値上げすることが9日、明らかになった。対象となるのは、戦争やテロによって生じた被害を補償する船舶向け保険で、中東情勢の悪化を理由としている。

cargo ship, shipping vessel, container ship, maritime insurance, Middle East waters
※画像はイメージです

具体的な値上げ率や実施時期、対象となる3社の社名については明らかになっていない。ただし、中東地域をめぐる地政学リスクの高まりが、国内損保業界の引き受け判断に直接影響を及ぼしている構図が浮き彫りとなった。

背景にある中東の地政学リスク

中東では2023年10月のハマスとイスラエルの武力衝突以降、イエメンの武装組織フーシ派が紅海を通航する商船への攻撃を繰り返しており、海運の安全保障環境が急速に悪化している。こうした情勢を受け、紅海やペルシャ湾、ホルムズ海峡周辺の戦争リスク保険料は国際的に大幅な上昇が続いてきた。

主要海運会社は紅海経由の航路を回避し、アフリカ南端の喜望峰を経由する迂回ルートへの切り替えを進めており、輸送距離や日数の増加が物流コスト全体を押し上げている。

日本経済への波及も懸念

日本はエネルギー資源の多くを中東からの輸入に依存しており、海運保険料の上昇は原油やLNGの調達コスト増加を通じて、電力・ガス料金や製造業の生産コストに波及する可能性がある。国内損保大手3社は業界全体の保険料の大部分を占めるとされ、今回の値上げが企業の物流コストや最終的な消費者負担にどの程度影響するか、今後の動向が注目される。