NY円相場が3営業日ぶり反発、トランプ氏「ほぼ終結」発言で原油急落
要約
米イランをめぐる軍事緊張の緩和観測から原油先物が前週末比10%あまり下落し、日本の貿易赤字拡大懸念が後退したことで円買いが優勢となった。
原油急落が円買いを誘発
9日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が3営業日ぶりに反発した。終値は1ドル=157円60~70銭と、前週末比20銭の円高・ドル安となった。トランプ米大統領がイランへの攻撃について「ほぼ終結したと思う」と発言したことで、中東情勢の不透明感が後退。原油先物が急落し、日本の貿易赤字拡大見通しが後退したことが円買いにつながった。
トランプ大統領は9日、CBSの電話取材に応じ、軍事作戦について「予定より前倒しで進展している」とも述べた。この発言を受け、米国とイスラエルによるイラン攻撃が早期に終結するとの思惑が市場に広がった。
原油先物は119ドル台から81ドル台へ
原油市場では劇的な値動きが見られた。米東部時間8日夜には中東情勢の緊迫化を背景に119ドル台まで急伸していた米原油先物は、9日午後に急落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI期近4月物は一時81ドル台を付け、前週末比で10%あまりの下落となった。
中東情勢の緊張緩和により原油供給の回復見通しが広がったことが、急落の主因である。原油高の一服は、エネルギー輸入国である日本にとって貿易赤字の縮小要因となるため、円の買い戻しにつながった。
ユーロも対ドルで続伸
ユーロ相場も動いた。対ドルでは1ユーロ=1.1630~40ドルと、前週末比0.0015ドルのユーロ高・ドル安。対円では1ユーロ=183円35~45銭で取引を終えた。欧州の景気先行き不透明感が後退したことがユーロ買いの背景にある。
一方、邦銀の為替担当者は「足元の円安進行は日本の輸入企業による円売り需要が膨らむというファンダメンタルズに沿った動きで、日本の通貨当局は円安を強くけん制しづらい」と指摘しており、円安基調が完全に反転したわけではないとの見方も根強い。