NY原油WTI先物が81ドル台に下落、G7の備蓄放出協議が価格押し下げ
要約
9日のニューヨーク原油市場でWTI先物が1バレル81ドル台まで下落。G7が石油備蓄の共同放出を協議し、市場が政策対応による供給増加見通しを好感した。
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WTI先物が81ドル台に急落
9日のニューヨーク原油市場で、国際的な原油取引の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格が1バレル=81ドル台まで下落した。前日の急騰から一転しての値下がりで、原油市場は荒い値動きとなった。
地政学的リスク緩和への期待
WTI先物の急落は、G7(主要7か国)による市場安定化対応の発表を受けたものと見られている。月初から中旬にかけて、ホルムズ海峡をめぐる地政学的緊張を背景にWTI先物は一時100ドルを超える水準まで上昇していた。9日の値下がりは、この不安定な相場局面から、政策対応による供給増加への期待へと市場心理が転換したことを示している。
G7が石油備蓄放出を協議
G7財務相会合では、原油価格の高騰に対応するため、石油備蓄の共同放出を協議している。実施されれば、2022年のロシアによるウクライナ侵攻時以来、約4年ぶりの協調放出となる。米国は3億~4億バレルの共同放出を想定しており、これは各国の石油備蓄の25~30%相当に当たる。市場はこうした政策対応による供給増加見通しを好感し、買い急した先物の調整売りに転じた可能性が高い。
実経済への波及懸念が背景
原油価格が高止まりした場合、国内のガソリン価格や航空運賃、食品価格への波及が懸念されている。WTI先物が1バレル120ドル水準を維持した場合、国内ガソリン価格は1リットル282円相当の大幅高騰が見込まれていた。G7の備蓄放出協議はこうした実経済への悪影響を抑える狙いがあるとみられており、市場の「早期収束」への期待感につながっている。