2026/4/1
nippon-post.com
経済

原油、IEA史上最大の備蓄放出提案で反発後に下落 金は続伸

要約

11日の国内商品先物市場で原油は反発して寄り付いたものの、IEAの過去最大規模の石油備蓄放出提案報道を受けて軟調に転じた。金は安全資産として続伸している。

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原油は反発スタートも一転軟調に

11日朝方の国内商品先物市場で、原油は反発して取引を開始した。8月物(中心限月)は1キロリットル7万7000円と、前日の清算値から1370円高で寄り付いた。

しかしその後、原油相場は軟調に推移している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が、国際エネルギー機関(IEA)が加盟国に対して石油備蓄の放出を提案していると報じたことを受け、供給増加への思惑から売りが優勢となった。

IEA、過去最大規模の放出を提案か

WSJの報道によると、IEAが提案している石油備蓄の放出規模は過去最大となる可能性がある。IEA加盟国による協調的な戦略備蓄放出は極めて異例で、過去には1991年の湾岸戦争時、2005年のハリケーン・カトリーナ、2022年のウクライナ侵攻時の3例しかない。2022年の放出量は約1億8200万バレルであり、今回の提案がそれを上回るとみられている。

中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が急騰していたなか、大規模な備蓄放出が実現すれば供給不安の緩和につながるとの見方が市場に広がり、原油の売り材料となった。

金は続伸、安全資産に資金流入

一方、金相場は続伸している。地政学リスクの高まりを背景に、安全資産とされる金への資金流入が続いている。原油市場では備蓄放出による供給増加が意識される一方、金市場では中東情勢の先行き不透明感がなお強く、実質金利の低下や各国中央銀行による外貨準備の分散といった構造的な需要に支えられながら、リスク回避の動きが優勢となっている。