2026/4/1
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経済

政府、民間石油備蓄15日分の放出を告示 16日付官報で

要約

政府が16日付官報で民間石油備蓄15日分の放出を告示。中東情勢の緊迫化を背景に、石油精製・販売業者の義務備蓄量を引き下げることで市場への供給を促す措置。

エネルギー安全保障中東情勢石油備蓄放出

政府は16日付の官報で、民間石油備蓄15日分の放出を告示した。石油の安定供給を確保するため、石油精製・販売業者に義務付けている備蓄量を引き下げ、市場への供給を促す措置である。

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※画像はイメージです

民間備蓄15日分が対象

今回の放出対象となるのは、民間企業が法律に基づいて保有する備蓄のうち15日分。石油備蓄法では、石油精製業者や販売業者に対し一定量の在庫保有を義務付けており、政府がこの義務量を引き下げることで、企業が保有する石油を市場に流通させる仕組みである。

中東情勢の緊迫が背景に

放出の背景には、深刻化する中東情勢がある。2月末にイスラエルと米国がイランを攻撃し、イランが反撃に出たことで、世界の石油輸送の約3割が通過するホルムズ海峡が事実上の閉鎖状態に陥っている。日本の原油輸入の大部分は中東地域に依存しており、供給途絶のリスクが高まっていた。

政府は国際エネルギー機関(IEA)の協調決定を待たず、独自の判断で放出に踏み切った形である。

国内経済への影響抑止が狙い

今回の措置は、需給の逼迫懸念による価格上昇や、消費者・企業の買い急ぎといったパニック的な動きを抑える狙いがあるとみられる。政府はガソリン補助金の復活も併せて検討しており、価格安定化に向けた複合的な対策を講じる構えである。

日本の石油備蓄は国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄を合わせて約254日分を保有しており、今回の15日分の放出後も相当量の備蓄が維持される見通しである。