政府、民間石油備蓄の保有義務を55日に引き下げ 8000万バレル放出へ
要約
ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、2022年のウクライナ危機以来となる民間備蓄放出に踏み切った。国内備蓄の約2割にあたる8000万バレルを放出し、3月下旬には国家備蓄の追加放出も予定されている。
民間備蓄の保有義務を15日分削減
政府は2026年3月16日、原油・石油製品の民間備蓄保有義務を70日分から55日分に引き下げた。石油備蓄法に基づき官報で告示された。中東・ホルムズ海峡の事実上の封鎖により日本の原油輸入が減少する見通しとなったことを受け、国内への石油供給を維持する狙いがある。
民間備蓄の放出は、ロシアのウクライナ侵略で需給が逼迫した2022年以来となる。
国内備蓄の約2割を放出
今回の措置により、合計で国内備蓄量の約2割にあたる8000万バレルが放出される予定だ。さらに3月下旬には、国家備蓄1カ月分の追加放出も計画されている。放出にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)との協調のもとで実施される。
日本の原油輸入は中東産への依存度が9割以上に達しており、ホルムズ海峡情勢の影響を直接的に受ける構造にある。
2025年末時点の国内石油備蓄総量は4.7億バレル、国内需要に対する備蓄日数は254日分。内訳は国家備蓄が146日分、民間備蓄が101日分、産油国共同備蓄が7日分となっている。
ガソリン価格抑制へ補助金支給も
政府は3月19日から、ガソリンの店頭価格を1リットルあたり170円に抑えるよう、石油元売り各社に対して補助金の支給を開始する予定だ。備蓄放出と価格抑制策を同時に進めることで、エネルギー供給の安定と国民生活への影響緩和を図る。
前回の民間備蓄放出
ロシアのウクライナ侵略で原油需給が逼迫し、民間備蓄が放出された。
民間備蓄の保有義務引き下げ
70日分から55日分に15日分削減。官報告示により8000万バレルの放出が決定された。
ガソリン補助金の支給開始予定
石油元売り各社に対し、ガソリン店頭価格を170円/Lに抑えるための補助金支給を開始する。
国家備蓄の追加放出予定
国家備蓄1カ月分の追加放出で、ホルムズ海峡の封鎖による供給減少に備える。