ナフサ供給懸念、石化協「来月までは製造継続可能」 国家備蓄も放出へ
要約
イラン情勢の緊迫化でナフサの供給不安が広がるなか、化学メーカーの業界団体は当面の製造継続が可能との見通しを示した。経産相は全国11か所の備蓄基地から石油の国家備蓄を順次放出する。
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業界団体「来月までは製造継続」
イラン情勢の緊迫化に伴い、石油化学製品の原料であるナフサの供給懸念が高まっている。化学メーカーの業界団体は24日、ナフサ供給懸念下での製造見通しについて発表し、「来月までは石油化学製品の製造を続けられる」との認識を示した。
ナフサは石油を精製する過程で得られる粗製ガソリンの一種で、プラスチックや合成ゴム、医療器具など幅広い産業製品の基礎原料となる。イラン情勢の緊迫化により、この重要原料の安定供給に不透明感が増している状況だ。
国家備蓄、全国11か所から順次放出
経済産業大臣は24日午後3時02分、石油の国家備蓄を放出すると発表した。全国11か所の備蓄基地から順次放出を進める方針で、供給不安の緩和を図る。
業界団体は当面の製造継続は可能としつつも、供給懸念が長期化した場合には医療現場にも影響が及ぶ可能性があると警鐘を鳴らしている。ナフサから生成される化学製品は医療器具や医薬品の包装材など医療分野でも広く使用されており、供給途絶が長引けば影響の範囲は産業全体に拡大するおそれがある。
中東依存の構造的リスク
日本はナフサの約6割を輸入に頼り、そのうち約7割を中東地域が占める。ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約94%が通過する要衝であり、同海峡の通航が制約を受ければ、エネルギー供給全体に深刻な打撃となる。
既に国内では一部の化学メーカーがエチレン生産設備の減産に踏み切るなど、影響は顕在化しつつある。業界団体が示した「来月まで」という見通しの先に何が待つのか、政府と産業界の対応が問われる局面が続く。