政府、石油の国家備蓄放出を開始 中東情勢の緊迫受け
要約
中東情勢の緊張激化に対応し、政府は3月26日に国家備蓄の石油放出を開始した。IEA加盟国の協調放出の一環で、国家備蓄と民間備蓄を合わせた放出規模は45日分に達する見通し。
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政府が国家備蓄の放出に着手
政府は3月26日、石油の国家備蓄の放出を開始した。中東情勢の緊迫化を背景に原油供給への懸念が高まる中、エネルギー安全保障の観点から備蓄の活用に踏み切った形だ。
日本は原油の90%以上を中東地域からの輸入に依存しており、ホルムズ海峡周辺の情勢悪化は国内のエネルギー供給に直結する。3月上旬以降、イランを巡る軍事的緊張の高まりを受けて原油価格が大幅に上昇し、供給途絶への警戒が強まっていた。
IEA加盟国との協調対応
今回の放出は、国際エネルギー機関(IEA)加盟国による協調放出の枠組みの中で実施される。IEAは3月11日、加盟国合計で4億バレルの協調放出を決定しており、これはIEA創設以来の最大規模とされる。日本も単独で3月16日に放出方針を表明していた。
国家備蓄に加え、民間備蓄の義務日数を15日分引き下げる措置も講じられ、国家備蓄と民間備蓄を合わせた放出量は約8,000万バレル(45日分)に達する見通しだ。2011年の東日本大震災時に実施された25日分の放出を大きく上回り、過去最大の規模となる。
国内備蓄体制への影響
日本は全国10カ所に国家石油備蓄基地を保有しており、2025年12月末時点での国家備蓄量は約4,900万キロリットル。民間備蓄や産油国との共同備蓄を含めた総備蓄量は約7,445万キロリットル(254日分)に上る。
政府はG7やIEAとの連携を続けながら、ガソリンなどの石油製品供給に支障が生じないよう対応する方針を示している。供給の安定確保と価格抑制の両面から、ガソリン補助金の復活も検討されている。