政府、石油国家備蓄の放出開始 ホルムズ海峡封鎖受け愛媛の基地から
要約
ホルムズ海峡の事実上の封鎖がまもなく1カ月となる中、政府は全国11カ所の基地から国内消費1カ月分の石油を順次放出する方針で、26日午前11時ごろに菊間基地での放出が開始された。
菊間基地で放出作業が始まる
政府は26日午前11時ごろ、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、石油の国家備蓄の放出を開始した。最初の放出が行われたのは菊間国家石油備蓄基地(愛媛県今治市)で、地下のタンクからパイプを通じて隣接する石油元売り企業に石油が送られた。
ホルムズ海峡の実質的な封鎖状態はまもなく1カ月を迎える。日本の原油輸入の約9割がこの海峡を経由しており、供給途絶への対応が急務となっていた。
全国11基地から国内消費1カ月分を放出へ
政府は国内消費の1カ月分に相当する量の石油を、全国11カ所の基地から順次放出する方針だ。27日には福岡県北九州市沖でタンカーへの積み込みが予定されている。
菊間基地で国家備蓄放出を開始
愛媛県今治市の菊間国家石油備蓄基地から、地下タンクを通じて石油元売り企業への供給が始まった。
北九州市沖でタンカー積み込み予定
福岡県北九州市沖にてタンカーへの石油積み込みが行われる予定。
産油国共同備蓄の放出開始予定
国家備蓄・民間備蓄に続く第3の柱として、産油国との共同備蓄からの放出も今月中に開始される見通し。
国家備蓄の放出に先立ち、民間に義務付けている備蓄量を15日分引き下げる「民間備蓄」の放出はすでに始まっている。さらに、産油国との共同備蓄の放出も今月中に開始する予定で、政府は国家備蓄・民間備蓄・共同備蓄の3層すべてを動員する構えだ。
日本のエネルギー供給に迫る危機
日本は原油輸入の約9割をホルムズ海峡経由に依存しており、同海峡の封鎖は国内のエネルギー供給に直接的な打撃を与える。現在の主要供給元であるUAEやサウジアラビアからの原油もこの海峡を通過するため、代替ルートの確保は容易ではない。
政府が全国規模で備蓄放出に踏み切ったことは、事態の深刻さを物語っている。国家備蓄だけで約157日分が確保されているとされるが、封鎖の長期化に備え、放出のペースや規模の見極めが今後の焦点となる。