円相場が1ドル=160円台に下落、2024年7月以来の円安水準 イラン情勢の不透明感が重荷
要約
ニューヨーク外国為替市場で円安ドル高が加速し、約1年8カ月ぶりに1ドル=160円台まで値下がりした。米国とイランの戦闘終結の見通しが立たないことが、有事のドル買いを促している。
1年8カ月ぶりの160円台に突入
2026年3月27日のニューヨーク外国為替市場で、円安ドル高が加速した。円相場は一時1ドル=160円台まで値下がりし、2024年7月以来およそ1年8カ月ぶりの円安水準を記録した。
背景にあるのは、米国などとイランとの軍事衝突をめぐる先行き不透明感だ。戦闘が終結に向かうかどうかの見通しが立たないとの見方が市場で広がり、安全資産とされる米ドルを買う動きが強まった。いわゆる「有事のドル買い」が円売り・ドル買いの圧力となり、円相場を押し下げた形である。
イラン情勢と「有事のドル買い」
トランプ大統領は中東情勢の進展に関心を示しているが、戦闘の出口戦略は依然として明確になっていない。中東情勢の緊迫が長引くほど、為替市場ではドル高圧力が持続しやすい構図となっている。
米ドルは主要通貨に対して幅広く上昇しており、円だけでなく多くの通貨がドルに対して売られる展開が続いている。かつては地政学リスクが高まると「リスク回避の円買い」が起きる傾向があったが、近年はその経験則が薄れ、ドルが選好される局面が目立つようになっている。
原油高と日本経済への波及
中東の軍事衝突はエネルギー市場にも影響を及ぼしている。ホルムズ海峡周辺の緊張が高まるなか、原油価格の上昇が日本の輸入コストを押し上げ、貿易収支の悪化を通じてさらなる円安圧力となる構造的なリスクが意識されている。
日本はエネルギーの純輸入国であり、原油の中東依存度が高い。原油高は米国のインフレ見通しにも影響し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を後退させることで、日米金利差の拡大観測にもつながっている。
今後の円相場は、イラン情勢の展開と原油価格の動向、さらに日銀の政策対応に左右される見通しだ。160円台という節目を超えたことで、市場では日本の通貨当局による為替介入への警戒感も高まっている。