2026/4/1
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経済

円相場が1ドル=160円台に、1年8カ月ぶりの円安水準

要約

中東紛争による「有事のドル買い」と構造的な日米金利差が重なり、円相場が160円台へ円安が進んだ。原油高による貿易赤字拡大懸念も円安圧力を強めており、当局の為替介入への警戒感が高まっている。

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「有事のドル買い」で160円台に

外国為替市場で円相場が1ドル=160円台まで円安が進んだ。2024年7月以来、約1年8カ月ぶりの円安水準である。

中東情勢を巡る不透明感の高まりが、今回の急激な円安の引き金となった。アメリカ、イスラエルとイランとの戦闘が長期化するとの懸念が投資家の間に広がり、リスク回避の動きが強まった結果、基軸通貨であるドルを買う「有事のドル買い」の流れが加速した。

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原油高が貿易赤字拡大の懸念に

中東の緊張は為替だけでなく、エネルギー市場にも波及している。原油先物価格が上昇しており、エネルギー資源の大半を輸入に頼る日本にとっては、貿易赤字がさらに拡大するとの見方が市場に広がっている。貿易赤字の拡大は円売り圧力を強める要因となるため、円安がさらに進行する悪循環への警戒感も出ている。

為替介入への警戒感

市場では日本政府・日銀による為替介入への警戒感が強まっている。2024年7月に円相場が同水準に達した際には、日銀が金融政策の変更に踏み切った経緯がある。今回も当局が何らかの対応に動くかどうかが、市場参加者の最大の関心事となっている。

日銀は2024年3月に負金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを進めてきた。しかし日米の金利差はなお大きく、構造的な円安圧力は解消されていない。中東リスクの長期化と金利差という二つの要因が重なり、円安の歯止めがかかりにくい状況が続いている。