日経平均株価が週明け1000円超の急落、イラン情勢の緊迫化が重しに
要約
米国・イスラエルによるイラン攻撃から5週目に入り、ホルムズ海峡の事実上の封鎖によるエネルギー供給不安が日本市場を直撃。原油価格の高騰が企業収益と物価への悪影響をもたらし、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。
週明けの東京市場、1000円超の大幅安
週明けの東京株式市場で日経平均株価が急落し、下げ幅は1000円を超えた。イラン情勢の緊迫化が継続するなか、投資家のリスク回避姿勢が一段と強まった格好である。
2月28日に始まった米国・イスラエル軍によるイラン攻撃は5週目に突入しており、世界の原油供給の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態にある。原油価格は攻撃前の約70ドルから一時119ドル台まで急騰しており、エネルギー供給への不安が市場心理を大きく圧迫している。
エネルギー依存の高さが日本市場の重荷に
日本は原油の99%以上を輸入に依存し、そのうち94%を中東地域から調達している。タンカーの8割がホルムズ海峡を経由するため、同海峡の封鎖リスクは日本経済に直結する構造的な問題である。
原油高騰は電力コストや物流費の上昇を通じて企業収益を圧迫し、最終的には消費者物価への波及も懸念される。インフレと景気悪化が同時に進むスタグフレーションへの警戒感も、売りを加速させる要因となっている。
日経平均株価は3月に入って以降、大幅な下落が相次いでいる。3月9日には2892円安の5万2728円まで下落し、恐怖指数とされる日経平均VI指数も66.65まで上昇した。これはトランプ関税ショック時と同水準であり、地政学リスクに対する市場の警戒感の強さを示している。
停戦協議の行方が焦点
トランプ大統領はイランのエネルギー施設攻撃停止期限を4月6日に延長し、「協議は順調に進んでいる」と発言している。停戦に向けた交渉の進展が、今後の市場の方向性を左右する最大の焦点となる。
防衛関連株やエネルギー関連銘柄が相対的に底堅い動きを見せる一方、製造業や物流セクターは原油高によるコスト増が直撃しており、セクター間の明暗が分かれている。市場関係者の間では、停戦協議の行方次第で相場の反転もあり得るとの見方がある一方、ホルムズ海峡封鎖という実体経済への直接的な影響は過去の地政学リスクとは異質であるとの慎重論も根強い。