日経平均が一時2800円安、米イラン地上作戦報道で中東リスク直撃
要約
日経平均株価は30日午前の東京株式市場で前週末比2436円安の5万0936円と大幅続落した。米国防総省によるイラン地上作戦準備の報道が中東リスクを急速に高め、市場全体が売り圧力にさらされた。
前引け5万0936円、下げ幅一時2800円に
30日午前の東京株式市場で、日経平均株価が大幅続落した。前引けは前週末比2436円94銭(4.57%)安の5万0936円13銭。一時は下げ幅が2800円に達し、ほぼ全面安の展開となった。
週末にかけて、米国防総省が数週間に及ぶイランでの地上作戦を準備しているとの報道が相次いだことが売りの引き金となった。中東情勢のさらなる悪化が世界経済を下押しするとの警戒感が急速に広がり、投資家がリスク資産の圧縮に動いた格好だ。
中東リスクが市場を直撃
今回の急落の背景には、米国とイランの軍事的緊張が一段と高まったことがある。2月末には米国とイスラエルによるイラン空爆が実施され、ホルムズ海峡の実質的な封鎖観測から原油価格が急騰。原油先物は1バレル当たり119ドル台と、2022年のウクライナ侵攻開始時以来の高値圏にある。
地上作戦の準備という新たな報道は、事態がさらにエスカレートする可能性を市場に意識させた。原油の中東依存度が約95%に達する日本にとって、ホルムズ海峡をめぐる緊張は経済の根幹に関わる問題であり、東京市場が他の主要市場以上に敏感に反応する構図が鮮明になっている。
エネルギー供給不安が重し
日本の原油輸入依存度は99.7%にのぼり、そのほぼ全量がホルムズ海峡を経由して中東から運ばれている。エネルギー自給率が13%にとどまる日本経済にとって、中東の軍事紛争は供給途絶リスクに直結する。政府はナフサの確保や原油先物市場への介入を模索しているとされるが、市場の不安を払拭するには至っていない。
4.57%という下落率は、地政学リスクに対する市場の警戒度の高さを如実に物語っている。午後の取引でどこまで下げ幅を縮小できるかが注目される。