南海フェリー、2028年3月末で和歌山―徳島航路から撤退へ 半世紀の歴史に幕
要約
1975年の設立以来、和歌山港と徳島港を結んできた南海フェリーが2028年3月末の事業撤退を発表。ピーク時97万人だった利用者は2024年度に35万人まで減少し、2021年度から債務超過が続いていた。
半世紀の航路に幕、南海電鉄がフェリー事業撤退を発表
南海電気鉄道は、子会社の南海フェリーが運航する和歌山港―徳島港間のフェリー事業から、2028年3月末をめどに撤退すると発表した。1975年の設立以来、約半世紀にわたって和歌山と徳島の両県を結んできた唯一の航路が姿を消すことになる。
撤退の主な理由は、利用者の減少と燃料費の高騰だ。南海電鉄広報は「過去に類を見ない燃料費の高騰と人件費の上昇も響いている」と説明している。さらに、使用する船体の老朽化が進んでおり、状況次第では撤退時期が前倒しされる可能性もあるという。
利用者はピーク時の3分の1に
南海フェリーの利用者数は、1995年度に97万人のピークを記録した。しかし1998年の明石海峡大橋開業を境に旅客の陸路への流出が加速し、2024年度には35万人にまで落ち込んでいる。
2021年度からは債務超過の状態が続いており、経営の立て直しが困難な状況に陥っていた。
老朽化する船体、撤退前倒しの可能性も
南海フェリーが運航してきたのは和歌山―徳島間の航路のみである。船体の老朽化が深刻化しており、このことが撤退判断を後押しした形だ。老朽化の進行度合いによっては、2028年3月末の予定を待たずに運航を終了する事態も想定されている。
南海フェリー設立
和歌山港―徳島港間の航路運航を開始。両県を海路で結ぶ交通インフラとして出発した
利用者数97万人を記録
フェリー事業のピーク。年間約97万人が和歌山―徳島間を海路で往来していた
明石海峡大橋が開業
本州と四国を結ぶ陸路が整備され、フェリーから高速道路への旅客流出が本格化した
債務超過に転落
利用者減少と経費増大により財務状況が悪化。以降、債務超過の状態が継続している
事業撤退予定
半世紀の歴史に幕。船体老朽化により、撤退時期が前倒しとなる可能性もある
半世紀にわたり紀伊水道を渡ってきた航路の消滅は、地域の交通体系に少なからぬ影響を及ぼすことになる。