ニデック、株主から取締役の提訴請求 不正会計問題で代表訴訟の可能性
要約
個人株主が不正会計の責任追及を求め提訴請求書を提出。60日以内に会社が提訴しなければ株主代表訴訟に発展する見通しで、大株主のオアシス・マネジメントも訴訟を視野に入れている。
モーター大手ニデック(旧日本電産)は30日、不正会計問題をめぐり、個人株主から複数の取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起を求める書面を受け取ったと公表した。会社法の規定により、提訴請求から原則60日以内にニデックが提訴しない場合、株主自らが株主代表訴訟を起こすことが可能となる。
創業者・永守氏ら歴代経営陣が調査対象
調査の対象となるのは、2020年度から2025年度第1四半期までに取締役、監査役、執行役員を務めた経験者である。この中には創業者の永守重信氏や岸田光哉現社長も含まれる。ニデックは今月13日付で「役員責任調査委員会」を設置し、対象期間に在任した役員の法的責任について調査を進めている。
大株主オアシスも訴訟を視野
ニデック株の約6.7%を保有する香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントも株主代表訴訟を視野に入れているとされる。大株主による訴訟参加の動きは、経営陣への責任追及がさらに本格化する可能性を示している。
企業ガバナンスの実効性が問われる局面に
ニデックの不正会計問題は、第三者委員会が3月3日に報告書を公表し、棚卸資産の評価損先送りや固定資産の減損回避など複数拠点での不適切な会計処理が認定された。累計影響額は約1,397億円に上り、最大で2,500億円規模の減損の可能性も指摘されている。
永守氏は2025年12月にすべての執行役を退き、名誉会長の非常勤職に就いている。報告書では、永守氏が組織に過度なプレッシャーをかけ、目標達成への圧力が連鎖していたと指摘された。
今後、役員責任調査委員会の調査結果と、会社側が提訴に応じるかどうかの判断が焦点となる。60日の期限が経過すれば、株主代表訴訟という法廷闘争に移行する可能性が高まる。