2026/5/13
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国内

iPS細胞由来のパーキンソン病治療薬「アムシェプリ」、中医協が保険適用を承認

要約

中央社会保険医療協議会が5月13日、iPS細胞を用いた再生医療製品「アムシェプリ」の保険適用を承認した。iPS細胞由来の治療製品が保険適用されるのは世界初となる。

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中央社会保険医療協議会(中医協)は5月13日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いたパーキンソン病治療用の再生医療製品「アムシェプリ」について、保険適用を承認した。iPS細胞由来の治療製品が公的医療保険の対象となるのは世界で初めてである。\n\n

Tokyo cityscape
※画像はイメージです
\n\nアムシェプリは、住友ファーマが開発した再生医療等製品で、2026年3月に厚生労働省から条件・期限付きでの製造販売承認を受けていた。iPS細胞から作製したドパミン神経前駆細胞を患者の脳に移植し、パーキンソン病で失われたドパミン神経細胞を補充する仕組みの治療法である。\n\n## パーキンソン病治療の新たな選択肢\n\nパーキンソン病は脳内のドパミン神経細胞が減少することで運動機能に支障をきたす疾患で、これまでは不足するドーパミンを薬剤で補充する治療が主流だった。アムシェプリは、神経細胞そのものを移植によって補うという新たなアプローチを採る点で、従来の薬物療法とは根本的に異なる。\n\n京都大学の山中伸弥教授が2006年にマウスでiPS細胞の作製に成功してから約20年。基礎研究から臨床応用、そして保険適用へと至る長い道のりを経て、iPS細胞技術がついに一般の医療現場で患者に届く段階に達した。\n\n## 条件・期限付き承認の枠組み\n\nアムシェプリは、再生医療等製品に設けられた「条件及び期限付承認制度」に基づいて製造販売が承認されている。この制度は、有効性が推定され安全性が確認された製品について、最長7年の期限付きで承認するもので、承認後も追加データの収集が求められる。期限内に本承認の可否が改めて判断される仕組みである。\n\n今回の保険適用の承認により、患者の経済的負担は軽減される見通しだ。iPS細胞を用いた治療は開発コストの高さから高額になる可能性が指摘されており、保険適用の意義は大きい。\n\niPS細胞を用いた再生医療は、パーキンソン病以外の疾患への応用も期待されており、今回の保険適用は再生医療分野のさらなる発展に向けた重要な一歩となる。